夢の記憶

□第一章
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ぱち…






「ん…」





眠い…






暫く瞬きをして、横になっていたベッドから体を起こし、ぼ〜っと目の前を見た…


白いコンクリートでできた家の壁が見える…

「……僕の家♪」

つい、上機嫌な一人言を呟いてしまった…

…何せ最近建ててもらった家だ。
それも、この国の住民が感謝の意を込めたものだ
こんなに嬉しい事はない




…一ヶ月ほど前の話…
食べ物をうばって住民を苦しめていた国王を、自分が懲らしめたのだ

その国王も反省し、国の皆に食べ物を返したし、僕と友達になった
そのお礼に住民が家を建ててくれたのだ

「♪」
…染み一つ無い家の壁を見て、再び上機嫌になる

窓に視線を移すと、カーテンの隙間から朝の日差しが差し込んでいた…

「…今日も晴れだ!」

…眩しさに顔をしかめつつも、ベッドから降りてカーテンを開けた

家の中が一気に明るくなる

…ドーム状の家で、部屋は一部屋だけだが、テレビ、冷蔵庫、キッチン、ベッド、ちゃぶ台、天井の蛍光灯等の、生活に役立つ物は一通り揃っている
彼の家はこんな感じだ…

さて、朝食は…っと


………あ…


そういえば変な夢をみたっけな…

…あれはなんだったんだろう…?


…ま、いっか…ただの夢だし



そう考えながらも冷蔵庫を開け、ぎゅうぎゅう詰めになっているスイカやトマト、バナナ、ヤシの実等を取り出し、口に全て放り込んだ。

「モグモグモグモグ…

うん、おいひい…」


今日はカレーでもつくるかな…?
そんな事を考えていると…


バン!!バン!!

「!?」

急に激しく戸を叩く音が響いた



…びっくりした…

こんな朝早くに一体誰だろう?

バン!バン!
「起きてますか!?」

友人の声…

「…起きてるよ、それに開いてる」

バタン!!
「朝早くにごめんなさい!

カービィさん!」

カービィ
「いいよ、起きてたし
それより何があったの、

ワドルディ?」

ワドルディ
「だ…大事件なんです!

大王様が…

国の秘宝…スターロッドを盗んだらしいんです!」

カービィ
「スターロッド…?」

ワドルディ
「え?

あ…カービィさんは知らないんでしたっけ…」

カービィ
「うん」


ワドルディ
「解りました。説明しましょう



…まず、この星ポップスターには、聖地があるんですよ…」

カービィ
「聖地?」

ワドルディ
「はい…

そこは『夢の泉』と言って、この星の生きものの夢と希望が集まる場所で、毎日この星の全ての生きものに夢と安らぎを与える事を約束している神聖な場所なんです…

そして、其処にスターロッドと言う杖が一本設置されていて、そのスターロッドの力が有ることで、夢の泉は機能するんです

しかし、今はそのスターロッドがありません。
だから今現在は夢を視れないんですよ。」


『スポン!!』


―…あの音か…



カービィ
「…まさかそんな凄い物がこの星にあったなんて…

…一体何処に在るの?」

ワドルディ
「…夢の泉は、デデデ城の直ぐ近くにあります。
大王様が毎日点検をしているんですが…」



―…え?


『…大王様が、スターロッドを盗んだんです!』


―…それじゃあ…
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