夢の記憶

□第二章
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「…ここがプププランドか…」

リュックサックを背負いウエストポーチを身に付け、赤いベレー帽を被り袖だけぶかぶかの服を着た少女が、プププランドの至るところにあるお昼寝広場と言う場所で呟いていた。

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「ロロロキャッスルってどこだっけな…?」

少女はウエストポーチから地図を取り出し、おもむろに広げた。

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「…あれ? ここフロートアイランドなの? それじゃあ………あ! やっぱりここからロロロキャッスルが近い!

…でも、ただ行くだけじゃ兄さんに怒られちゃうからなあ…」

その少女は地図をウエストポーチに戻すとリュックサックを下ろし、その中からキャンバスを取り出して地面に立てる。

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「なんかお詫びに描いていこうっと…」

すると、ウエストポーチから今度は筆とパレットを取り出した。
ペタペタと無地のキャンバスを鮮やかにしていく
するとキャンバスには、イスとピクニックテーブル、サンドイッチが描かれていく…

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「ああ…お腹空いて自分が欲しいもの描いちゃった…

まあ、いっか!」

少女がパレットだけしまい、キャンバスに両手をかざした。

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「食べ物だから念のためやろうっと…」

そう言うと目を閉じ、筆を縦に突き立てて呟いた。

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「…我が想像す実体の無き万物よ…リーバイスの名の下に、その実体を在るものとせん…!」



ポン!



少女が言い終えると、キャンバスから先ほどの絵が実体化して飛び出してきた!

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「いっただっきまーす!」

少女は平然とした面持ちでイスに座り、テーブルに置いてあるサンドイッチにかぶり付いたのであった━━



















































カービィ
「ねえ…まだ?」

ワドルディ
「はい。まだまだです」

カービィ
「ねえ」

ワドルディ
「はい?」

カービィ
「…まだ?」

ワドルディ
「だからまだまだですよ…」

カービィ
「ああ…お腹空いた…」



グギュルルルルル…!!



ワドルディ
「もう…ウイスピーからリンゴもらえばよかったのに…」

カービィ
「話が終わったらそうしようと思ったんだけど、ロロロキャッスルが次の目的地って聞いたから…

ほら、ロロロキャッスルの料理って凄いおいしいじゃん」

ワドルディ
「…だからお腹空かせている訳ですか?

…それなら、まだまだ頑張ってください」

カービィ
「でも、もう限界…

ああ…何か食べ物を…ちょうだ………」

ピタッ! っとカービィが動きを止めた。
それを訝ってワドルディが問い掛ける。

ワドルディ
「どうしたんですか?」

カービィ
「匂いが…サンドイッチの匂いが……」

ワドルディ
「サンドイッチ…?」

カービィ
「我慢できなーい!!」

ワドルディ
「え? ちょっ、カービィさん!?」

突然走り出したカービィを追って、ワドルディは慌てて追い付こうとする。

すると、お昼寝広場が見えてきた。
あそこから…?

その通りだった。お昼寝広場にはテーブルが設置してあり、そこにはサンドイッチがいくつもあったのだ。

カービィ
「サンドイッチ!!」

カービィが口を開くと、得意の吸い込みを始めた。

ワドルディ
「カービィさん! 待って! 誰かいます!」

?
「…?」

テーブルの側にあるイスには、今正にサンドイッチにかぶり付いた状態の少女が座っていた

カービィ
「サンドイッチ!!」


スウ〜〜〜〜〜!!


?
「え、わ! キャーー!!」

吸引力で浮かび上がる少女…

ワドルディ
「カービィさん!」

たまらずワドルディはパラソルを取り出し………



ガンッ!!!



カービィ
「ぶふっ!!」

?
「いたっ!」

吸い込まれそうな少女は途中で地面に落ちた。

ワドルディ
「カービィさん! むやみやたらに吸い込みをしないでください!」

ワドルディはカービィに説教をしたあと、少女に駆け寄り、

ワドルディ
「大丈夫ですか?」

?
「いたた…。はい、だいじょ………。って、ああ!!!」

ワドルディ
「え!? ど、ど、どうしたんですか!?」

?
「か、か、か、か、かわいいーー!!!!」

ガシッ!!

少女はワドルディを鷲掴みにして、頬をスリスリ。ワドルディは驚きに目を見開き、顔を真っ赤にさせた。










カービィ
「あらら?」




















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