涼宮ハルヒの憂鬱

□『涼宮ハルヒの願望U』
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サンタクロースがいるとかいないかなんていうたわいもない世間話にもならないような話を、ある女の前で言うのはやめておいた方がいい。議論の余地があるわね、とか言って議論する前に表へ飛び出し、イヴの夜にサンタクロース探しを手伝わされる羽目になる。そんなわけわからんことを常にひたすら考えている自己中女の名は……って、勿体ぶる必要も無いことだな。その涼宮ハルヒだが、年が明けたと言うのに全く落ち着きがなく、やはりというか常に猪突猛進状態だ。思えば色々あったな。思い出したくもないが、世界を救ったあの日。そして、六月の草野球大会、七夕時間旅行、殺人劇とエンドレスサマー、映画撮影に北高祭、コンピ研とのゲーム勝負に、消えたハルヒ。告白騒動や雪山の館、八日後からの朝比奈さん、似非生徒会長の陰謀。最近の出来事は、阪中が持ちこんできた幽霊騒動だな。まあ、あれも長門とシャミセンのおかげで無事解決した。つまり、今のところ全てがうまくいっているわけだ。


そのためか、俺は少し平和ボケしていたのかもしれない。


そう。完全に油断していた。だが、突然すぎる。事態を回避できなかったのも無理は無いと思う。今回のことも、俺にとってはちっとも笑えないことだ。

まず、ことの起こりは土日に行われた市内不思議探索。鶴谷さんが加わったのと連日行われた以外はいつもと変わらない、本当にいつものこと。そう…それは何の変てつも無い、





━━日常だった。





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