人間・死神・破面・仮面のお話

□でんじゃらす☆WORD
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一つ、
十番隊長
日番谷冬獅郎に
『可愛い』は
禁句である。 



「日番谷隊長ーお届けものでーす」

「ご苦労、そこに置いといてくれ。」

それはある日のこと
二人がかりで運ばれてきたソレはこの世界には珍しく、しかし誰もが目にしたことがあるものだった。

しかし非凡であるのはその大きさ。当の隊長はおろかその副隊長ですら見上げるほどである。


「何です?その届け物。」

「見てわかんねぇのか。」

「あたしが聞いたのは何のために使うのかってことです。」

「俺のためだが?」

「すみません、聞き方を間違えました。これは何に使うんですか?」

「別に。気に入ったから買ったんだ。悪いか?」


「は?…あ、いえ。悪くはないですけれど。」 


「じゃあ文句ねぇだろ、いーから仕事しろ。」









「…隊長。」


「なんだ、まだあるのか。」


「これ何だかわかってますか?」


「あ?何言ってんだ。熊だろ」


「ぬいぐるみのね。テディベアって言うんですよ」

「だからなんだってんだ」


「いえ、隊長にしては随分可愛らしいものを買ったんだなぁ、と思いまして」


「あ"ん?」

「そ、そのぬいぐるみがですよ?!」 


日番谷は副官に鋭い視線を送る 乱菊は目を逸らしてごまかした

「俺がテディベアを買って何が悪い?」


(乱菊)て、テディベアって言ったー!!

「おい、何がおかしい?」


「い、いえ別に…「失礼しあーす。」」


「あ、恋次!」

「日番谷隊長、判をお願いしますって何すかそれ?」


日番谷は答えずあきれた様子で肘をついた 


乱菊は小声で恋次に耳打ちする 
「テディベアよ。何だか知らないけど気に入っちゃったみたい」


「へぇ。日番谷隊長って意外とかわ「確保!!」」

乱菊の指示で黙って仕事をしていた十番隊員たちが恋次を取り押さえた

「何だこりゃ?乱菊さん何するんすか」


四、五人の隊士に取り押さえられたまま恋次は少し苛立ちの籠もった声で聞いた

乱菊は小声で答えた

「うちの隊長に可愛いは禁句よ。ほら、アンタも知ってるでしょ?このあいだの爆発事件…」

恋次は記憶をたどってみた
確かに1ヶ月ほど前に十番隊舎で不審な爆発があったのは知っていた。あれほどの爆発があったのにもかかわらず定例集会では何の報告がなかったのに不思議に思ったのをおぼえていた。












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