日雛のお話

□晴れすぎた空
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まぁこんな高いところ下からじゃ見えねぇだろうけど


それにしてもこの天気は俺の睡魔を激しく誘いやがる

こんな日は逆に何か悪いことが起こるんじゃないかと思ってしまう俺はひねくれものだろうか



「…ここにいた。」



ぼんやり考えを巡らしていると愛しい彼女が俺の顔を覗いた


見付かっちまったか

俺を探してうろうろしてる姿を上から見るのが楽しいんだがな


「どうした、雛森」


用件なんてないと知りながらわざと問う
ただ会いに来ただけなんだこいつは



「…ちょっと」



俺の側に座り俺の顔をじっと見つめながら言った


「ちょっとなんだ?」

こうやって恥ずかしがる顔を眺めるのも好きだ


「……なんでもない」


それから遠くの空を見つめながら風が気持いいね、なんて言う雛森に違和感を感じた



俺は起き上がり雛森の小さな背中を抱き締めた


「どうした?」


何かおかしい。
いつもなら顔を赤くして会いたかった、とか寂しかった、とか言うくせに



「別、に?…何もないよ」

ほらまたはっきり言わない


「何もないわけねぇだろ?お前今日ちょっとおかしいぞ」




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