日雛のお話
□タイブレーカー
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太陽の光がまだかろうじて白い肌に染み込んでいく初夏の日
『五番、センター日番谷くん』
野球グランドに青春を捧げた少年の戦いは
始まっていた
「「きゃぁー♪日番谷くーん!!」」
「日番谷ー打ってこい!」「一本行ったれ!!」
「外野浅いぞー!」
「サヨナラだ!」
最終回、七回裏2アウト、ランナー満塁
現在得点1対0
「お願いします」
この試合の最後のバッター日番谷冬獅郎はゆっくりとバッターボックスに入った
勝敗のかかったこの緊迫した状況でもいつものポーカーフェイスは崩れない
ここでホームラン打ったら何をしよう
そうだ、あいつと賭けしてるんだ
ホームラン打ったらアイスだっけ
アイスはどうでもいいがあいつが喜ぶならお望み通り一丁やってやるか
カキーン
「いったぁ!入れー!」
「行けー!!」
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