日雛のお話

□それぞれの道
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また今日もあの人の姿を探す。昨日より一本早い電車だ。
そうやって毎日出来る限り時間をかえてあわせているのにちっとも会えない。


「残念、今日もいないか」













「誰が?」



「シロちゃん!」


「はょ、雛森」

「おはよ!」

「で、誰を探してたんだ?」

「それは…シロちゃんだよ」


プルルルルルルル―〔ドアが閉まります。ご注意下さい。ドアが―〕


「降りるぞ雛森」


「え?でもここ違っ」



降りたのは無人駅。通勤通学ラッシュにも関わらずこの駅には誰もいない。ただベンチと屋根と時刻表があるだけ



「シロちゃん?」

シロちゃんはあたしを抱き締めた

「………った…」

「え?」


「会いたかった…!」






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