日雛のお話
□それぞれの道
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「えぇ?!シロちゃん真央受けるの?!」
「おう」
「なんでー?」
「別に。地元から出たかったから」
「そうなんだっ!あたし京蘭受けるの」
「へぇ、頑張れよ」
それだけ?とは思いつつ心の中では嬉しくて堪らなかった。
県内はほとんど男女別々の高校。
あたしが京蘭行ったら地元のシロちゃんとはほとんど会えないと思っていたからすごく嬉しかった。
その時までは。
実際入学してからは想像と全然違っていた現実を恨んだ。
「あーまたいない」
朝の電車で必死に彼の姿を探すけれどみつからない
一本遅かったか…
帰り時間は違うからそっちの電車で会うことはない
「今日もついてないなぁ」
あたしが中学卒業と共に失ったもの
大好きな人との時間
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