日雛のお話
□蜂蜜
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「じゃぁな、桃」
「うん。バイバイシロちゃん」
「とぉーしろぉー!こっちだよぉー」
「うるせぇな!叫ぶなょ。今行くから」
彼には3つ年上の彼女がいた
「めぐみ」
彼女の名前
二年前、めぐみさんは最愛の彼氏を亡くした。
その彼氏さんを殺したのはシロちゃんだった
シロちゃんはあたしがマンションの前で酔っ払いに絡まれたところを助けてかばってくれた
そこに通りかかった彼氏さんが止めに入って3人でもめあった末酔っ払いではなく彼氏さんがマンションから転落。
突き落としたのはシロちゃんだった。
もちろん殺意があったわけじゃない。あれは事故だった。そのため当時中学生だったシロちゃんの罪は咎められなかった。
でもその場にいてあたしのすぐそばで同じように見ていためぐみさんには当然埋めるとこの出来ない穴が空いた。
「あなたは悪くない。でもお願い。あたしの心の傷が癒えるまでそばにいて」
それがめぐみさんの頼みだった。
お互い好きという感情は全くなかった
シロちゃんとあたしの関係もわかっていただろう
それでもめぐみさんにはシロちゃんが必要だった
だから二人は付き合い始めた