日雛のお話

□想いの扉
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「日番谷、くん」




俺が死神になる頃にはお前は前のように俺を見なくなった


「さすが日番谷くん!やっぱり隊長さんは違うね!」

「当たり前だ」


でもそれ以上に気付いたんだ


お前の弱さを




俺自身のやるべきことを





守ってやりたい








そう思った








なぁ


この気持ちは何だ?


これが愛なのか?


お前のあの人への気持ちとおなじものなのか?






なぁ



教えてくれよ




お前ならわかるだろ?




餓鬼の頃からずっと俺を見てきたお前なら



俺よりも俺を知るお前なら


ずっと嫌だった


弟扱いされること


他の男の話をすること


実力の違いを気にすること


でもそれは少しも目をそらさず俺を見てきてくれた証拠だから


俺の大好きなその瞳をいつも俺に向けてくれた証拠だから


俺はお前が好きみたいだ


だからもう迷わない



俺は踏み込む



想いの扉の向こう側に









そしたらきっとお前が笑顔で振り向いてくれるだろう?




fin.
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