日雛のお話第2巻

□誕生日には綺麗な薔薇を。
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伝令神機が鳴ったのは宴会も終わり、皆が寝静まった後のことだった。
そろそろ雛森もウトウトし始めたところに高い電子音が鳴り響く
皆を起こさぬように慌てて通話ボタンを押した




―雛森か?




こんな時間にかけてくるのはきっと彼にちがいない
そうわかっていてもいざ電話口から彼の声が聞こえると心臓が跳ねるんだ、と雛森はドキドキしながら考える



―ごめんな。おまえの誕生日までに戻れそうにねぇ

―大丈夫だよ、シロちゃん。みんながね、誕生日会開いてくれたの

―そうか。良かったな


―うん!


―あと、5分か


―何が? 


―おまえの誕生日が終わるまで 

―あっそうだね 


―何が欲しい? 


―え?


―誕生日プレゼント。現世で買っていけるものならなんでもいいぞ 


―…じゃぁ、薔薇の花束 


―薔薇?なんでまた…

―なんでって綺麗じゃない、薔薇。本当は年の数だけって言いたいところだけど 


―年の数って;おまえ年いくつだよ? 


―レディにそうゆうこと聞かないの! 


―ハイハイ。じゃあ花束な、薔薇の。


―うん!


―雛森、


―ん? 


―誕生日おめでとう。帰ったら二人でお祝いしような 


―うん!待ってるね、シロちゃん










「それで、いつ戻られると?」

話を聞いたルキアは雛森に訊ねた

「わかんない。近いうちにとは言ってたけど」


「そうか。早く帰って来ると良いな」


「うん!…………あっ!」


「どうした桃?」


「この霊圧…帰って来た!」



「え?」


「シロちゃん!帰って来た!」

そう言いながらすでに雛森は駆け出していた



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