日雛のお話第2巻

□手を繋ぐ、放す、握る
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本当に珍しくシロちゃんと非番がかぶったから何をするわけでもなくシロちゃんの部屋でゴロゴロしていた 

たまに会話をしながらシロちゃんはせっせと刀を研いていた 

シロちゃんが刀を研ぐ姿が好き
まるで大人がおもちゃで遊ぶように一つ一つの動作が丁寧で真剣な顔になるのを眺めるのが好き


「シロちゃん今身長いくつ?」


「さぁな。180越えてから測ってない」

うっかり納得しかけて気付く

「も〜嘘つき。そんなにないでしょ?175くらい?」

「だからもう180あるって」

半ば上の空で答えるシロちゃん

「それじゃあたしと29p差だねぇ。理想のカップルの身長差が15pって知ってますか?」

「なんだよそれ。つーかいやみか?」

「あーぁ理想とは程遠いね」
「フン…んなもんクソ食らえだ。雛森が背伸びしてキスできる距離なら問題ねぇよ」

ぴかぴかに研いだ氷輪丸をかざしてシロちゃんは満足そうにそれをつかにおさめると今度は書類にとりかかった


「キスも届かないよ。シロちゃんいつも屈むじゃん!」

「気のせい、気のせい」


「もーそうやってすぐバカにしてー」


書類の方も一段落着いたらしく筆を片付け始めた 


「あっもう終わり?」

「あぁ」

「ねぇじゃあ甘味処行こーよ!」

「怒ってたんじゃねぇのか?」

「ううん全然…あっやっぱりまだ怒ってる」

「なんなんだよ。で?どうすればご機嫌になりますか?お姫様」


「甘味処まで手を繋いで?」




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