日雛のお話第2巻
□されど夢現追いたるが如し
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真央霊術院までの道のりはいつも一人だ。
親父そっくりなこの風貌はどうも受けが良くないらしい
小さい頃、俺を見た隣の家の子供に泣かれたこともある
その時はすぐに遥がその子をあやしてくれたが俺はこの顔を酷く憎んだ
阿散井や市丸だって初めて会った時は俺を怖がった
けど他の奴らと違って俺のことを避けなかった
そのうちいつも奴らと絡んむようになって遥も市丸の妹と仲良くなった
母さんは俺に友達が出来たことを喜んだ
きっと親父も友達がいなくて母さんを困らせたんだろう
ざまーみろってんだ
ゆるい丘を越えると霊術院はすぐそこに見える
多くの院生がそこに足を運ぶ。
流魂街出身者やここから自宅が遠い者は寮で生活しているが俺たち兄弟と阿散井や市丸なんかはわりと近場に住んでるから自宅から通う。
周りで歩くのは俺と同じような奴らばかり。
貴族だったり、俺のように親が死神だったり…
だが誰一人として俺を素直に受け入れる奴はいない。他のやつらと何も変わらない、ただ瞳が翡翠色で銀髪なだけなのに
「おはよーさん、日番谷」
肩に飛込んで来たのは市丸ヨウ。こいつの飛び込みグセは母親譲りだと母さんが言ってた
「んだよ、うぜーから離れろ」
「なんや、冷たいなぁ。せっかく日番谷が寂しそうだから声かけたゆうのに」
「頼んでねぇよ!」
こいつは俺に似てる。
もちろん性格じゃない。
境遇とでも言うのか
とにかく奴も俺と同じように両親が死神で髪が銀髪、遥と同い年の妹もいる
なのに、俺とは全然違う。
こいつはクラスでも人気者妹とも(俺から見ればだが)仲良くやっている。
何をどうしたらこんな差ができる?
俺だって同じ銀髪でプライドの高い貴族でもないし、成績なら俺の方が上だ
何を…どうしたら…
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