日雛のお話第2巻

□微熱‐37.2℃‐
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「寒くない?何か温かいもの作ってくるね」


無理矢理仕事をおろされた俺は四番隊に行った後、自室に連れてこられ布団に寝かされた


四番隊は満室で隊長の俺だったら優先されるようだがそれは断った

代わりにもう完治して酒を飲みまくっていた副官を四番隊舎から追い出してもらうように頼んだ


「熱が篭ってるから汗をかいて熱を出した方がいいって言ってたよね?
じゃーお粥作るよ」


俺はそんな病人じゃねぇって言ったらまた嫌な顔すんだろうな


部屋から出ようとする雛森の死覇装の裾を掴んだ


「いーから、ここにいろ。」

久しぶりに声を出したせいで少しかすれた
ちゃんと伝わっただろうか俺がしてほしいこと、したいこと


「初めてしゃべったね、日番谷くん」


「喉が痛ェんだよ」


「無理してしゃべんなくていいよ。日番谷くんのしてほしいことなんか顔でわかるもん」


こいつ、よくもまぁ自信たっぷりと言えたもんだ
内心嬉しくないわけないがでたらめな事を言われたとしたらそれはそれで悲しい

「じゃーなんで今部屋出ていこうとしたんだよ?」

「日番谷くんに甘えてもらいたかったから」


雛森は明るく笑った

「だってこうでもしないと日番谷くんずっと迷惑そうにしかめ面でしょ?」


迷惑なんて思うわけねぇだろ。それどころかお前がこうして側にいてくれるだけで俺は幸せなんだ。
そんな言葉が頭の中でぐるぐるしていたが口からは出なかった


「…看病してあげてるんだからちょっとくらいドキドキさせてよ」


これは反則だろう
なんだってそんな可愛い顔してこんな嬉しいこと言えんだお前。


「雛森…」


裾を離して手を布団の中へ戻した



「俺が今してほしいこと、わかるな?」



すると雛森は顔を染めて掛布団に手を伸ばした



「…風邪移ったら日番谷くんのせいよ。」




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