日雛のお話第2巻
□龍城
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音がする
耳障りな足音が
誰かが足を踏み入れる
「えー日番谷くん行かないのー?」
雛森は不満そうに言ったが俺の答えは変わらない
こいつはただの幼馴染みでしかない
最も、友達なんていない俺の中では幼馴染みっつーポジションは随分親密な方だがな
「俺は暑いとこ苦手なんだ。なんでわざわざ冬に海水浴なんざ行かなきゃなんねぇんだ」
「冬だからよ。寒さをしのぐために常夏の島でバカンスしようって旅行なの!」
「生憎この程度の寒さ、俺には心地いいくらいだな」
「でも隊長さんたちも皆「行きましょう、雛森。」」
見かねた松本が雛森を制止した
「乱菊さん」
「隊長、頑固だから言っても無駄よ。ここはあたしたちだけで楽しみましょう」
「…。」
「では隊長、行って参ります!」
「おう。」
納得のいかない雛森を引き連れて松本は出ていった
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