日雛のお話

□needless to say.
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それは、単純明快。
形を持たない儚きもの
しかし、その力は膨大で美しく、また繊細さを持ち合わせた不死の力




「ねぇ、隊長?」


「なんだ、仕事しろ。」


「完全に聞く気ゼロですね」


「うるせーよ、こっちは今手が離せねぇんだ」



「ほら、やっぱり」


十番隊副隊長は隊長専用の椅子に座り煎餅をかじる

その表情は少々曇り気味
特等席―ソファは占領され仕方なく小さな椅子に座っている

「茶溢すなよ。そこにあるのは大事な書類だ」


「駄目じゃないですかーあたしの手の届くところにこんなもの置いちゃ」


「…それを自分で言うな。つーかてめぇは子供か」


「いやだなぁー子供に見えます?この身体…あぁ隊長だとあたしの手の届かないところには隠せないんですね。…可哀想ー」


「…どうやら十二番隊に移隊したいらしいな…」


「あら、新しいですね、その脅し。確かにそれが一番キツイかも」


「だったら仕事しろ」


「そんなおいしい状況の隊長には聞く耳を持てません」

筆を進める隊長を睨みつけながらふてくされた顔で机に肘をつく

それでも隊長が特等席を占領していることに文句を垂れることはない

何故なら乱菊のソファには隊長だけでなく隊長に寄りかかってすやすや眠る雛森もいるからだ

「いちゃつくなら他でやってくださいよ」


「今日はやけに機嫌悪いな」


「そりゃあたしの執務室であたしの可愛い雛森が隊長とラブラブなのを見てるのは不快ですからね」


「お前のじゃなくて公共の執務室と俺の雛森だ」


「あーそうですか。」






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