日雛のお話
□蜂蜜
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「もぅ待ってよ、シロちゃんっ!きゃあ!!」
ドテーン
「ったくドジにも程があるだろ、寝小便桃。こんなところで漫画みたくドテーンと転ぶやつがあるかよ」
「寝小便って言わないでょ。シロちゃんが歩くの早いからでしょ!」
「なんだよ、俺のせいにする気か?!」
「そうだよ!!…え?」
雛森の掌に生暖かい感触。
「歩くスピードは変えねぇからな、手ぇ離すなよ」
雛森は握られた手にわずかな力を込めた
「うん!」
いつもの通学路
いつもの会話
いつもの笑顔
俺達の毎日は
優しくて
心地よくて
甘かった
そう
俺達の生活はまるで
ハチミツだった
『蜂蜜』
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