日雛のお話第2巻

□nightmate
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My heart relates to ...




































目覚めたのは、雨の音のせいなのか、近づいてくる雛森の足音のせいだったのか。 


「日番谷くん、起きてる?」


時刻は3時。
普通、起きてるわけねーだろ 


そうは思うものの、惚れた弱みかそのまま狸寝入りできるわけもなかった 


「………なんだよ。」




「―――――。」


雨の音で、彼女が何を話しているのか聞こえない 


仕方なく、布団から起き上がる 


「!」

戸を開けてやればそこに立っていた雛森はずぶ濡れで小さく震えていた 

なぜもっと早く気付かなかったのか 


「入れよ。」

タオルを頭にかぶせて部屋に招いた

「…ぁりがとう」















「で?何の用だよ」


雨は相変わらずやかましい 
雛森は部屋の隅っこで小さくなっている 


「用ってわけでもないんだけど…」

なかなか先を言わない雛森に俺は背を向けて寝巻の上に羽織を着る
そしてそれより少し厚手のものを雛森に投げる 



「ったく、雨ん中そんな薄着で来やがって」



言いづらいことを無理矢理聞こうとは思わなかったので話を変えた 


「ごめんなさい、急いでたから」


雛森は羽織に袖を通して気まずそうに瞳を潤ませた



「…もう帰るね。これ借りていっていい?」



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