10/08の日記

22:18
※WJ45号ネタバレ ※R18
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寛政の大獄 吉田松陽の門下 坂田銀時――



「アッ……はっ、はっ、……んん」

 腹の上で揺れ動く湿りを帯びた栗色の髪をうとりと見上げながら、その端正でいて幼い顔をもっと歪め、熱い息を吐く口からもっともっとと自分を強要すればいい、と手にした腰を強く掴み、更に下から突き上げる。
 後ろに仰け反らんとばかりに反った首筋から、ポタリポタリと汗が落ちる。
 普段乱れることのない制服は玄関から点々と脱ぎ落とし、布団にたどり着いた事を認識する間もなく貪り合う。
 突然玄関が開くや否や飛びついてきたこの男に、銀時はどうしたと問うまでもなく、それに応える様に食らいつく。

今日はまた、どうしたってーの。

 大体この沖田総悟という男は背は少し小柄で端正な顔立ちに、歳は二十歳もならない、まさに美剣士と称されるだけあって、男という性をもっても誰もが惹かれる美しさだ。
 その男が今自分の上で狂うように乱れているのだ。どんな理由であれこうも大胆に誘われれば悪い気がする訳もない。

「んっ、んっ、んはっ、ぁ、……だんなぁ」

 もっともっとと見下ろしてくる赤い目を、腕を持ち上げてその首筋に手を添えれば、自然と沖田はその腰を折って口付けを求めてくる。
 可愛らしいというよりも、妖艶な……

「……はぁ、……どしたの」
「………んぁ、……ぁ……別に……」

 唇を離した沖田の口元に銀の糸が滴り落ちる。それをペロリと舐めとった沖田は再びその腰を動かし始めた。

 のらりくらりといつも突然現れる沖田なのだが、今日はどうしたことか。
 何考えてんのかいつもわかんねーけどな。
 さして理由などなく互の身体を合わせるのはいつもの事だが、今日の沖田は少し違った。
 応戦するように下から突き上げてやると、沖田の身体がびくんと跳ねる。

 「アァッ」と声を上げた沖田がぶるりと身体を震わせ、銀時の絞まった腹の上にその欲を吐き出す。沖田の中がきつく絞まった瞬間に、銀時もまた己の欲を沖田の中に吐き出した。

「はっ、はっ、はっ、……っ……はぁっ」
「………っ」
 
 真紅の瞳がうとりと銀時を見下ろす。
 ――――本当に鬼みてぇな奴だな
 

「――――旦那ァ」


 ヒタリ、と銀時の首筋に当てられた冷たい感触に、銀時の喉がくつりと動く。

「なんだよ、マジで鬼になっちまったのか?」

 くくくと揺れる首から、じわりと血が滲む。

「アンタの首は―――俺んでさァ」

 まるで猫がネズミを捉えたように、ニタリと笑う沖田に銀時はあぁと思考を巡らせた。

 ――――池田夜右衛門――――
 どこから聞いてきたのか。この可愛い男はその顔に似合わず物騒なものを突きつけてくる。
 いや、この男なら一目散にやってくるだろうと思った。
 誰よりも何よりも、この俺の首を欲しがっているのはコイツ。
 銀時は腕を上げると、じとりと濡れた沖田の栗色の髪を梳いてやった。

「尊皇攘夷、吉田松陽の門下…―――坂田銀時」

 沖田がペロリと唇を舐める。
 今更昔がどうこう言うつもりはねぇ。旦那が攘夷志士だろうがどこぞの門下生であろうがそんな事はどうでもいい。
 俺の、真選組の立場で言うならば、出会った時から旦那は俺の獲物だ。
 生かすも殺すも俺次第。

 だって旦那は俺のもんだ。

 愛しい愛しい俺の旦那。
 アイツにやる首なんざ、ねぇ。

 真選組一番隊隊長、沖田総悟。この俺様の獲物だ。

「他の誰かにやるんじゃねぇんですよ、ダンナァ」

 銀時の死んだ目が此方を見上げ、その口元は未だくつくつと笑っている。
 そうだよ、この美しい鬼は、ずっと俺のもの。

 首に食い込む刃先をそのままに、沖田はゆっくりと銀時に口付けた。



という、来週の予測をしてみました。うん。

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