D.Gray-Man

□第四話
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「あ、そうそう“これ”は返しとくよ」






パッとミッドの手から離れたのは私たちが探してたもの







「イノセンスっ!」





ミッドが今まで居たのは屋根の上。

そこからイノセンスを離したとなると地面に、落ちる。









「(イノセンスだから大丈夫だとは思うけど間に合ってっ!!)」

「花音!行くな!」


「え?」















「甘いよ花音」















目の前が真っ赤に染まる


どうして血?なんて考える間もなく、激痛が私を襲う





ザシュッ




「っ、はあ・・・っ!!」


「花音オレ言ったよね殺したいって。忘れちゃったの?」

「っミッド・・・!!!」


「ふっあははは!!その顔、表情、大好きだよ」










狂喜


今のミッドにはその言葉がよく似合う。




言い返してやりたいのに痛みが邪魔をして言葉にならない








「イノセンス壊しとくね」


「!!ダメっ・・・」


「残念でし―」








ガギンッ!







「ちっお前か」


「殺す」


「んだよ邪魔しないでくれる?野郎とは殺る気進まないんだよねー」


「黙れこの変態。お前の相手はオレだ」


「ええ?お断りだって、っ!」

「そんなこと言ってる暇ないぜ」










私は、切られた?

ミッドに・・・!!


しかも命に関わる致命傷じゃないからすぐは治らない。



見たところ腕だと思うけど、










「っふ・・・熱い、」







何だろう、これ


頭くらくらする。まるで高熱にかかったみたいだ








「!!」


「、やるね」







でも意識は失わない


いや、失えない?









「もーお前嫌い。速いし!」


「そりゃどうも」



「ま、オレの目的は花音だからね正直イノセンス、はまあ大事っちゃあ大事だけどアンタはどーでもいい」



「いちいちムカつくやつだな!モヤシみてぇだ」



「モヤシ?でも、強いやつは好きだよ」



「キモい。お前とんでもなくキモい」


「それはアンタだろ?」


「なんだと!?」


「花音に何かしてやりたいのに何もできない。うじうじうじうじ。オレからしたら断然アンタのほうがキモい」


「はあ?」


「もらった」






ガッ、と殴る音が頭をかする


何とか上を見ると神田ユウが攻撃をくらった?



いや違う。


神田ユウのイノセンス、六幻で受け止めている







「へぇ、なかなかやるね」







今度は神田ユウがミッドに攻撃をくらわす







「災厄招来、界蟲一幻!!」


「わーお」








さすがに予想外だったのかミッドも笑顔がなくなる






ガギンッ ガッ キンッ





「速っ!」


「てめぇが遅すぎんだよ」

「と、みせかけてー」

「なにっ!?」






一瞬。

ほんの一瞬、神田ユウの死角に入ったミッド



その隙をついて、蹴りを入れた








「ぐっ!!!」


「っ神田ユウ!!ぁっ」






行きたいのに


戦いたいのに


助けたいのに



傷の痛みが邪魔をする








「っこんな、の!痛くもかゆくもない!」







イノセンス発動!



右腕が使えないのなら左腕がある!!







「やあっ!!」


「花音」


「ミッド!!!」


「・・・そんな睨むなよ。なに?そっちの手もやられたいの?」


「ふん。こんな中途半端な傷じゃなくてもっとちゃんと切れば?」


「なに?」


「そのほうが使えなくなるのにね。それも分かんない?」


「あははっバカだね花音!」


「、何がおかしいの!!」









完全に頭に血が上り一気に切りにかかる



ところが、







「落ち着け花音!」



ぐいっと引っ張られた







「なにするの!!?」


「考えろ、今のお前は無理だ」

「言ってることが分からない!戦える!」


「バカが!!」


「なっ、・・・っ!」






何も言い返せなかったのは痛みのせいじゃない。


そんなの忘れるくらい神田ユウの瞳が真剣だった



それに加えて必死







「冷静になれと言ったはずだ!それも忘れたのか!!!」


「、ッ」


「そんな出血で戦う?ふざけんじゃねぇよ」


「神田、ユウ・・・」


「お前はそこで大人しくしとけ。足手まといだ」






そのまま走り、ミッドのところへ戦いに行く



確かに今の私が行ったら足手まといかもしれない、

それでも










「私はっ戦いたいのに・・・っ!!」









ダンッと地面を叩く



何もできない悔しさ、自分の不甲斐なさ、実力の無さ、すべてを恨んだ

















「お前花音のことどれだけ知ってる」


「なんでそんなこと聞くのさ」

「じゃあ質問を変えてやる。何故腕を切った?致命傷を与えるなら背中なり腹のほうがいいだろ」


「いい質問。確かにあんたの言う通り致命傷を与えるなら腕をやったのは間違い、“普通のやつなら”ね」



「・・・」


「花音は違うんだよ」


「けっ」


「教えられるのはここまであとは秘、密!!」


「っ!!」



「ちっ避けんなよ」



「一気にけりを付けてやる。、“二幻刀”!!」



「なっ二つ!?」







斬りかかにくると思ったミッドは体を防御する




この時、イノセンスは手の中。

しかし攻撃を防ぐのにそっちの意識が少なくなっていることに気付かない








「っな、お前!!」



「残念だったなオレの目的はこっちだ」








二幻刀を避けるために後ろへ反ったミッド、



ガッとそこからイノセンスを取りミッドの体を蹴り上げる








「がっ、」



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