D.Gray-Man

□第三話
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「ねえねえそこのかわいこちゃん」


「オレらと恋仲にならねえ?」


「… 」


「聞いてる?かわいこちゃん?」


「…」


「恋仲になったら一生贅沢できるのにー」


「… 」


「聞いてんのかよ?ん?」


「ウザいから喋りかけないで。さりげなく腰に手回さない。」







バシッと男の手をはらう。






「んだよ冷たいなぁー」


「うるさい。黙って。」


「オレ冷たいこも好きだよ〜」






ウザイ。





私は今、恋祭りというお祭りに無理やり出ていて、


なんか最初はピンクなチャイナ服だったんだけど、フリッフリ?のまたも同じピンクのドレス。


チャイナ服じゃなくて、普通のお姫様が着るようなドレスなんだけど、スカートの丈が短い。





「と、いうか神田ユウはどこなの…」






こんなお祭りに出ている暇なんてない!



早くこの男たち撒(ま)かないと。






「じゃ、そういうことで。」


「ちょ、おいおい待てよー。な?いいことさしてあげるからさあ」


「別に結構です。」


「いいじゃーん」


「し、つ、こ、い!!!こっち来ないでって言ってんでしょ!?」


「かわい、かわいっ」






は!?

怒ってんのに可愛いって、この人たち大丈夫?頭おかしいんじゃないの?






「私、しつこい人嫌いだから。」


「オレは君みたいな素直じゃないこが好きかなー」


「あっそ。」







だからなんなのよ。


あー、もうホント早く神田ユウ見つけなきゃ。







「じゃあさ、キスしたら恋仲になってくれんの?」






一人の男がこんなことを言ってきた。







「はっきり言わせてもらう。私はアンタたちなんかと付き合う気なんかないしキスして付き合うとかありえない。そういうのを求めてるんだら余所にいってくれない?迷惑なの。」






嫌いな人は最後まではっきり言わないと分かんないよ。



ったくもー

これで分かってくれた?








「やばい。オレ、本気で惚れた。付き合ってください」


「何でそうなるの!!!」


「オレじゃ、ダメか、?」


「ダメ。私に触るな下心丸出しの猿が。」







最初から鼻の下伸ばして私の事見てたのはお見通しなんから。


この二人女をなめてる、腹立つなあもう。





「この子結構言うねー」


「オレ心折れそう」


「勝手に折れれば?」





そう、言うなら髪を翻(ひるがえ)してその男たちから去った。


うん完璧だねこれ。






「じゃあね」






そのあとは追いかけてこなかった。


まあちょっと言い過ぎたかなって思ったらじゃあねは言ってあげたよ。



はー、もう、神田ユウってばどこにいるの








「ちょっとちょっとあそこにいる人すごい男前じゃない!?」


「どこどこ?あ、ホントだわ…声掛けようかしら」


「みんな見てるわねっ!!かっこいい!」






突然、周りの女の人たちが騒いだかと思えば近くのおばさまがこんなこと言ってた。






「(、通れない)」


「あ、あんたも見たいの?こっち来なよ!!」


「ちょ、え!?」





私と同じ歳ぐらいの女の子。

この子もこのお祭りに参加しているのか、ぐいっと引っ張られる



その男前が見えるとこまで連れて行ってくれて、仕方なく見ると。






「チッ」


「きゃあーーーーーー!!」







不機嫌丸出しの神田ユウだった。



というか舌打ちしただけで興奮するもんなのかな!?






「ホントかっこいいねえ、」


「え?かっこいい?」


「だってほら、声掛けられてる。あ、また。王子様だね」


「王子、様!?」


「あ、」


「え、なに?」


「ほら、今あの人に声掛けてる女の人いるよね?」






見ると、超がつくぐらいのお色気満開の美人さんがいた。



誰?


とか思ってたら、その美人さんは神田ユウにぴとっとくっ付いた。



それを見た瞬間、私の中で雲が架かったみたいになって、






「何なの、これ、」


「え?」


「いや、なんでもない。」


「そう?で、あの人はここらへんの金持ちのお嬢様。」


「へえ、お嬢様」


「そう。あーあ、もうあの人だめだ。関わったら怖いから私行こうっと」





そう言うと、行ってしまった。


何かやけに親切だったけどあんな人いるんだなー。


そんな事も考える余裕がないくらい私は目が離せなかった、






「ねーねー、おにいさんはなんて名前なのぉ?」


「おにいさんじゃねェ。触んな」


「いやん。冷たいのねぇ」


「うるせぇ」







目の前の、神田ユウとお嬢様から。



何なのよ、神田ユウにベタベタくっついちゃって






「関係ない。私は神田ユウとあの人が恋仲になろうと」





私はその場からダダダと走った。










「そこのお嬢さん、オレと喋らない?」




パシッと腕を掴まれる。

なんでこう、次から次へと声がかけられるんだ。






「結構です!!」


「なんでー?」


「必要ない。求めてない。ウザイ。」





それに、今そんな気分じゃない。







「クスッ。相変わらず、ずばっというね。」






なに言ってるんだこの人。



被害妄想激しい人なのかな。



というか相変わらずって、なに?







「私アンタなんかに会った覚え1つもないんだけど。」


「じゃあ」






ぐいっ





「ん!?んんっ!!」


「はっ。このキスをしても分からない?」

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