short

□勘違いから生まれるものもある。
1ページ/5ページ




「ユウのアホ!」







バンッ!! ガラガラガラ







「あ!?」








これが今日学校に来て、

私の彼氏である神田ユウに言った第一声。









「はあ!?」


「アホ!バカ!マヌケ!蕎麦男子!むっつり!!!」


「ちょっ…!!!」


「ユウなんかどっか行っちゃえ!!」







ダダダダダ






「…。なんなんだ今の!?」


「花音が怒ってる!神田何かしたんですか!」


「こっちが聞きてェよ!!」


「ぷっ!むっつりだってさ〜」








いきなりのことに教室は騒然。


ラビみたいに神田をからかうのも居ればアレンと同じように花音を心配する人もいる




そして何故こんなにも盛り上がっているかというと!






神田ユウと美谷花音

学校でも有名なカップルとして知られているこの二人。





美男美女でも有名で付き合っている今でも告白は耐えないんだとか。



神田ユウは剣道で優秀な成績を修め美谷花音はそのマネージャーをやっているのである



そんな俗にいう非常に仲が良いカップル
まあ世間でいうとバカップルに近い


その二人がケンカっぽいことになっている!!!


こんなことは初めてなのだ。







「とりあえず電話してみたら?」


「…した。拒否されてた」


「拒否!?ぷっあはははは!!!」


「ほんっとユウちゃんってば何したん!?これはっウケるさっ!!」


「て…めぇら…覚悟はできてんだろうなあ…!ああ!?」


「ひいっ」


「あははっ!!はっ、はー笑った笑った。ふっ神田も花音と別れるときがきたか」


「別れるわけねぇだろハゲモヤシ」


「ハゲてません」


「何か心当たりないの?」


「ない。」


「即答さね」


「フッ電話も拒否されてるんだったら直接聞くしかないですね」


「…オレは何かしたのか」


「さっきアレン鼻で笑った!」


「うるさいバカ兔」


「ひっどいさ!」










キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴ると今まで廊下にいた生徒もぞろぞろと入ってくる


あとは遅刻しそうで全力疾走のやつだな。



まあオレもそんなんだから人のこと言えねェけど







「お前らー席つけー」


「あ、先生来た」


「おおー、ん?花音居な−」






ガラガラガラ



「遅れてすいません」


「…お、ははっ、うん全然大丈夫だ」


「…」←威圧感


「花音?だ、大丈夫か」


「何がですか?」


「いやその、いつもと雰囲気が違うなって」


「ふうん。誰かさんが何かしたからじゃないですか」








おい、誰だよその誰かさんっつーのは?

そいつのせいで花音に八つ当たりされたじゃねェか


出てきたらぶん殴ってやる。







「誰かさんって?」


「さあ。多分一番自覚ない人なんじゃないですか」


「おま、…まあいいや。何かあったら相談するんだぞ?」


「おかまいなく。でもありがとうございます。」






スタスタと自分の席に向かって座った花音


今でも…あれだ、オーラが近寄るなオーラだ








「神田」





声がした方を見ればリナが真剣な顔をして








「浮気した?」


「は?」


「だから、浮気」


「誰が」


「神田が」


「誰に」


「花音に」


「リナ。お前何ほざいてんだ」


「で?したのしてないの?」


「…答えるまでもねぇよ。誰がするかボケ!」









何言ってんだリナは。

これがモヤシとかだったらぶっ飛ばしてやる



浮気?

このオレがするわけねェ。







「…はあ。」


「んだよその溜め息。どういうことか説明しろ」


「私が言ってもね。」


「自分で聞けってか?」


「そのほうがいいと思うわ」


「分かってる。だがあのオーラやばいぞ?話しかけるなつーのが滲み出てやがる」


「誰かさんがそうしたんでしょう?ねえ神田」






チッ


何なんだよ

花音もリナも誰かさんって。







「その誰かさんて、んだよ?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ