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□ちょっとお願いがあるんだけど
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『僻(ひが)むなモヤシ野郎』


『別に僻んでませんけど?別に?』


『僻むも何もユウってば付き合ってないのに、なーんでそういうこと言うさ』


『ふん。別に。』


『(似たもの同士、)』


『そんな2人…3人?に朗報よ。“壁ドン”って知ってるかしら?』


『『『“壁ドン”?』』』


『そう。私も詳しくは知らないんだけど街の女の子の間で流行っているらしいのよ』


『へえー。その“壁ドン”って、壁がドンすんの?』


『壁ドッスン?』


『おかしいだろ』


『で、その“壁ドッスン”が…ん?違う、“壁ドン”を花音がしてほしいって』


『リナリー何気に間違えたさ』


『うるさいわねラビ。で、みんな知ってる?』


『知らないですね』


『流石のラビくんでも知らないさ〜』


『知らね』


『よね。アレンくんクロス師匠に聞いてみたら?』


『どこにいるか検討もつきませんし絶対嫌です』


『じゃ、花音に聞いてみたらいいんじゃね?』


『はっ分かってねぇな。やってほしいっつーことはいきなりやるもんだ』


『え?神田?どこでそんな事覚えたんですか?』


『は?別に』


『ふうん、』


『ま、みんな知らないのなら調べましょ!先に調べたほうが"壁ドン"するってことで!』


『分かったさ!何か面白そう!!』


『その壁ドン何か気になりますしね!』



『めんどくせ。パス』



『うわ。出たよノリ悪男』


『言ってろ』


『ん?怖いんですか神田?調べられないのが?』


『黙れ。』











と、言って出てきた昨晩のことだが。



まあ花音がしてほしい"壁ドン"


気にならないわけがない。







「ねえ神田!早く用意してご飯食べに行こ!」


「お前一人で行けよ」


「ええ!!」


「邪魔だ」


「待って!鍛錬私も付き合う!一人じゃ不満でしょ」


「ふん、勝手にしろ」






ったく。

こいつは俺のすること全部分かりやがって







「神田と鍛錬するの久しぶり」


「そうだな。」







しかし、1つ気になる所がある


何故あいつらはオレの部屋に花音を来させた?


モヤシなんか絶対嫌だと言うだろうに。








「―に、ボーッとしてんの!!!」






パアンッ!!!!







「っ、!!チッ」


「ふふん私だからって甘く見てると怪我するよ!!」


「どこがだよ」


「神田には叶わないけどっ、!!アレンといつも稽古してるんだから!戦闘能力上がってるよ!!」


「あん?モヤシと稽古?」


「そ、う!!リナリーもたまにするけどアレンも一緒にやってる、の!」



「チッ、あのヒョロ男…」


「流石アレンだよ、教えるのが上手くって!」





バチンッ







「っ、衝撃すごっ」


「あの野郎、だからか」


「神田ってば、また眉間のシワ増えた? 」


「うるせえ!!」


「っく、竹刀折れそうだって!」









あいつ、だからオレの部屋に花音を!!


昼とかはいつでも一緒だから朝は譲るってか?



俺が花音を襲わないと知ってやってんだろうな。




ああ腸煮え返りそうだ、どう切り刻んでやろうか。


あいつと同じことを思ってる分お互いのする事が手に取るように分かんだよ


気持ち悪ィ。





ガッ、バンッ







「うっ、」


「ふん。」


「今の、アレンと似てた!!」


「は?」



「今の踏み込み方の場合はこうすればいいって実践してくれたのにっ、くっそう!!」



「実践?」



「背中に立ってやってくれたの!!ああー、次は防ぐからね!!」



「…ぶちのめす」


「私を?!望むところー!!」










意味不明な勘違いをしてる花音はほっとくとして、あ、適当に相手するとして




あんの白髪、容赦しねェ!!!


どうせ食堂にいるだろうから六幻突きつけてやる




パンッ ガッ!








「っ、!?」


「勝負ありだな花音?」


「っまた負けた!!!」


「お前がオレに勝つのは一億年後だ」


「時代変わってるよ!」
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