D.Gray-Man

□第四話
4ページ/10ページ

「婦長どうしてあのこは会って間もない私にああやってやってくれるんですか」










リナリーが出ていったのを確認して婦長に聞く










「リナリーはそういう子よ。仲間はね、家族と同じように思ってるわ」


「家族と同じ?」



「ええ。あの子の中の世界はここがすべてなの。だからここにいる仲間がすごく大切ね」



「でも私はついこの間来たばっかりですよ。それでも仲間なの?」











だって、初めましてって言ったのは最近でしゃべった数も数えれるほど



食事なんてもってのほかだし




なのに2日間眠りっぱなしの私に付きっきりで居た。


どうして?





家族と同じように大切に思っているから?



仲間だって・・・?









「(ふざけないでよ)」










そんな簡単に仲間なんて言わないで



大切だなんて言わないでよ!















『来るな裏切り者!!』


『違う!私はっ』


『人殺しめお前なんか死ね』


『ど、して・・・どうして!!!』


『きゃああっ此方へ来ないで化け物!』


『っ!!!』













「あっ!!花音待ちなさい!!」






私は病室をとび出して、走った。


教団の中は全く知らない


だけどあのままあそこにいたらリナリーが戻ってくる



そんなの耐えられない




家族、仲間、絆、私が嫌いなものをリナリーは大切に思ってる







「っ、はあ、はあ」








たどり着いたのは屋上?


重そうな扉を開けてみると、外は真っ暗。








「ふっ、ビリーブ?信じることが大事?そんなの、私と無縁じゃん」









夢?


不思議な空間で話した私のイノセンス




会話ってできるんだね





でもそこで言われたのは『ビリーブ』

つまり信じる。






人を信じるってことが言いたいの?








「信じることは無理だよ」








信じるってなんなの?



私には分からない




だって信じたら裏切られる。





それが普通でしょ?



最初から信じないほうがいい




そう分かったの













「ビリーブなんて、いらない。私は一人でいい」








そう生きていくって決めたんだから。



一人で、ずっと。











「っ、」







ズキッと腕が痛んだ



包帯から血が滲み出てきて落ちていく







「ミッドも・・・私から離れていった」







知っているはずのミッドはあんな目をしていなかった。




あんな、人を傷付けることを楽しんでいるような目なんか知らない。





しかもイノセンスの適のノアの一族なんだから尚更あいつと戦うことが私の使命なはず









でも、どうしてだろう。









涙が止まらないのは、









「っも、やっだ・・・苦しいよ」









ぼろぼろとこぼれ落ちる涙




裏切られたって今更それで泣いてるんじゃない。




それでも、心のどこかにあの事件のあと生きてるかもって会えるかも知れないって思ってた



…会えたと思ったら、










「ほんとっ笑っちゃう」



自分の傷口から流れで続けている血を見て、ああそんなに重症だったのかとやっと思った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ