物語4

□第八十二話
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覚醒ダーク
『アルフレッドアーリーぃ…』


王子
『ブラスターダーク、飲みすぎだぞ?』


私はこの日ブラスターダークが私のいるロイパラに遊びに来てくれた事を喜んでいた。
だが、ブラスターダークは何故か覚醒していて更に足が千鳥足になる程酔っていたのだ…。 一体何がブラスターダークをそうさせたのだろうか?


覚醒ダーク
『…愛してるぞぉ〜』


…コレは完全に酔っ払いだ。 まぁ、ブラスター独特の酔い方だな。
全く、ブラスター達は何故こうも酔ったらこうなるんだ…


王子
『ああ、私も愛して…』


覚醒ダーク
『っ…本当に俺を愛しているのかっ…グスッ…』


え゛ー!!何故急に泣き出したんだ?私は泣かしていないぞっ!!私は一瞬焦ったがブラスターダークをギュッと優しく抱きしめてあげた。


覚醒ダーク
『…グスッ、暖かい。』


王子
『そうか、暖かいか?そう言えばブラスターダーク、私はお前に出会い人を愛する事を知ったんだ。』


覚醒ダーク
『…俺と出会って?』


王子
『そうだ、ブラスターダークと出会ってだ。』


私がそういうとブラスターダークは一瞬凄く輝いた笑顔になった。
だが、次の瞬間私を弾き飛ばし怒り狂った。


王子
『ブラスターダーク?』


覚醒ダーク
『っ!!俺がお前を変えたなど、愛を教えたなど…有り得ないっ!!』


このブラスターダークはこの間のアルフレッド兄さんが支えた時のブラスターダークだ。


覚醒ダーク
『っ…嫌だっ…こんな心要らないっ…人を愛してこんな心が痛いなら…苦しいなら…俺っ…』

フラフラとブラスターダークは立ち上がり、私から離れた。 ポロポロと次々に涙を流して、左胸を右手で力強く握っていた…


覚醒ダーク
『結局アーリー達は、俺を…俺を…っ…愛していると言って嘘を付いているんだっ!!きっと、いつかは俺から離れていくんだっ…皆っ…俺は…孤独に…』


王子
『ブラスターダーク。』


ブラブレとは違う世界で生きてきたブラスターダーク。
過去の世界ではお前はいつも孤独だったな。
だが、ブラスターダークよ、私も同じだったんだぞ?
兄アルフレッドはいつも仕事ばかりで側には居てくれず、ソウルセイバーは今みたいに自由に行動出来なかったしマーハウスはある日を境に遠い仕事に行ってしまい帰って来なかった。
お前程孤独では無かったが、私もそれなりに寂しかったんだぞ…。
勢いよくブラスターダークを私は抱きしめて涙を流した。
腕の中で、ブラスターダークは暴れたが私は離さなかった。

覚醒ダーク
『離せっ…』


王子
『離さんっ!!此処で離したら私はブラスターダークという人物を無くしそうで怖いんだっ!!愛を探しているなら、私も一緒に探してやる!!お前は1人ではない。もう、1人では無いんだ…ブラスターダークよ。』


暴れていたブラスターダークが少しだけ大人しくなった。
酔っているせいで私より力が弱いブラスターダークは力の無い瞳をしていた。


覚醒ダーク
『…愛など、見つかるわけが…』


王子
『大丈夫だ、私とブラスターダークならきっと見つけられる…。』


ギュッと更に強くブラスターダークを抱きしめてあげた。
身体が震えているブラスターダークを暖めてあげる。
ブラスターダーク…大丈夫だ。そんなに泣かなくても、叫ばなくても良いんだ。
私が支えてあげるから…
どうか、泣かないで…
私の愛おしい人…。


王子
『っ…ブラスターダーク…っ…泣かないで…っ…お前には、笑っていて欲しいっ…もっと、幸せになって欲しいんだっ!!』


覚醒ダーク
『アルフレッドアーリー…。』
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