物語4
□第八十一話
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コレで良いのだ…
コレで…
―――――
この日我は、ジエンド様とオバロ隊長の代わりにかげろうを守護していた。
ドーントレス
『ボーテックス様も任せてくれたからな!!頑張らなければ!!』
我がガッツポーズを取りながら気合いを入れていると、部下が焦りながら我に伝えてきた。
部下
『ドーントレス様っ!!』
ドーントレス
『どうしたのだ!!』
部下
『会議に出席しなかったゴルパラのアル様が何者かに襲われたとの情報が…』
…何故王であるアヤツが会議に出席しない?
というより、襲われとるだど!!我は情報を聞いた後に竜の姿になり飛び立った。
部下
『なお、襲撃したのはリンクジョーカーの…ってドーントレス様ぁー!!』
―――アルside
カオス
『ゴルパラ界の王様ぁ♪はじめまして、僕はカオスブレイカーのカオス!!リンクジョーカーの四天王の1人だよ♪以後お見知りおきを…って覚えても意味ないけどね…』
アル
『っ!!』
この日私は、デュークに珍しく会議を代行してもらいかげろう界に用事で向かっていた。
基本的何も持たずしても相手を倒すことが出来る私は護身用の小刀も部屋にこの日は運悪く置いてきてしまっていた。
今、私はカオスブレイカーという12歳くらいの子供に攻められている…。
カオス
『ミラージュナイト様は、あんまりユニットを呪縛するなって言ったけど僕達リンクジョーカーは本来は虚無を操り、王様みたいな純粋な人を…絶望させて壊すのが僕達だからね?』
ミラージュナイト様?
もしや、ダーク様が連れていた5歳くらいのナイトくんの事か?いや…だが、ナイトくんは正義心が強く優しい子だ。
こんな、怖く冷たい瞳などしない。
カオス
『さて、王様には僕の本気を見せてあげるよ…』
そう言って、カオスブレイカーは自分より遥かに大きい鎌を出した。真ん中が少し変わった形をしている…
カオス
『この鎌はね、王様みたいな人を捕らえる為に此処が開いてるんだよっ!!』
そう言って、カオスブレイカーは私の首にその鎌を押し当てた。
なる程、その鎌は逃げないようにする為か…。
アル
『だが、私はゴルパラ界の王だ!!そんな事だけでは絶望など…』
カオス
『ハハハッ!!データで調べた通りだね?王様ぁ?良い心をお持ちだぁ!!その気持ちがどこまで保つかな?』
アル
『…私は絶望などしないっ!!』
私がしっかりしないと何の為にエイゼル父さんやデュークが後押ししてくれているんだ!!大丈夫だ!!私には仲間が…
カオス
『じゃあ虚無を押し当てたらどーなるかなぁ?』
アル
『っ…皆、デューク。』
私が全てを諦めかけた瞬間、私の押さえつけていた木が焼かれた。
木だけが焼け落ち、私の首は解放され助かった。
アル
『炎…かげろう界の炎だ!!』
ドーントレス
『なかなか、用があると行ったくせに来ないと思ったらこんな所で何をしているのだ。全く、やはりゴルパラ界は情けないと言うのだ。』
アル
『ドーントレス!!ありがとう!!』
竜の姿から人の姿になったドーントレスに私は喜びのあまり抱きついた。
あー良かった。
助かった。
ドーントレス
『は、離れんかぁぁぁ!!我はモナークしか男性で触れることを許しておらぬー!!』
ドーントレスは顔を真っ赤にして、私を離した。
僅かにその姿がデュークと似て、私は笑ってしまった。
ドーントレス
『わ…笑うなっ!!』
カオス
『お姉さん、確かかげろう界の千年以上生きてる竜の…』
ドーントレス
『ドーントレスという者だ!!』
カオス
『おばあちゃんだね?ドーントレスさん。』
…!!確かに、ドーントレスは千年以上生きてる竜だが私でもそんな事は流石に言わなかったのに…
ドーントレス
『っ!!女性に年齢を言うのは御法度だぞ!!』
カオス
『僕、おばあちゃんには興味無いから…さて、王様ぁ?さっきは逃したけど今度は逃さないよ?』
アル
『ドーントレスっ!!私に構わず逃げるんだ!!』
カオスブレイカーが虚無を私に向かって投げてきた。
私はとっさに目の前にいたドーントレスを抱きしめて庇おうとした瞬間、ドーントレスが私を抱きしめて庇った。
ドーントレス
『う゛わぁぁっ!!』
アル
『ドーントレスっ!!何故私を庇ったっ!!』