物語4

□『ゴルパラ界の王は意外と甘えん坊でした(苦笑)byデューク』
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『アルよ…』


すまない…もう少し寝かせてくれないか?
私は…


『アルよ、起きてくれないか?久しぶりに妾が来たのに…』


…もう少しってその声はデュークかっ?


とある朝の日差しが心地よく、鳥のさえずりが聞こえた日私はガバッと机から勢いよく起きた。
また、いつの間にか寝てしまった…


アル
『…また、寝てしまった。』


コレで何回目だろうか?
頭を抱えながらため息をつく。いつも会っていたデュークがしばらくの間他クランへ出張に出ると言って行って一週間は経った。


アル
『つい、寝てしまう…』


集中が出来ない…
何故だ。
デュークという人物が居ないだけでこんなにも…
再び私は書類と格闘を始めた。今頃デュークは何をしているだろうか?
デュークは元気にしているだろうか?
ちゃんとご飯は食べているだろうか?


アル
『…集中出来ない。』


王なのにしっかりしないといけないのは分かっているんだが…ダメだ。
どうしてもデュークを思い出してしまう…
色々と考えていたら急にドアが開き音のする方へと顔を向けた。


ブロンドエイゼル
『アルよ、仕事はちゃんと進ん…で無いな?』


エイゼル父さん…?
ドアの向こう側からやって来たのは私を作ってくれたブロンドエイゼル様ことエイゼル父さんだった。エイゼル父さんは私を見て苦笑しながら近くにあるソファーに座った。


アル
『すいません。』


エイゼル
『いや…きっと進んで無いなと思っていたんだ。』

(彼女が居ないからな?全く、可愛い奴だな?)


まるで何かを暖かく見守っているような眼差しで私を見ながらエイゼル父さんは私に伝えてきた。
何かを心配してくれて居るのだろうか?


エイゼル
『それはそうと、アルよ?』


アル
『はい…』


エイゼル
『此処にこんな物があるんだが…?』


ピラピラとエイゼル父さんは私に一枚の地図をチラつかせた。 もしやそれは…!?
私は勢いよく地図を奪おうとした瞬間、瞬時にエイゼル父さんが更に高く上げて私の身体は机に体当たりした。


エイゼル
『まっ…私がこんな所に入れて忘れたなら、お前は届けてくれる良い子だから大丈夫だな?』


そう言うとエイゼル父さんは書類の間にスッと一枚の紙を入れて私の部屋を去って行った…
イマイチ状況は読めないが、とりあえずエイゼル父さんが去った後私は地図を見てその場所を目指すことに決めた。


―数時間後


アル
『…どうして迷ったんだ?』


国と国の境目である今ある森で私は迷ってしまった。
何故こんな日に限って迷うんだろうか?
地図を再び見て悩んでいるとガサガサと音が聞こえ、瞬時にスッと護身用の小さな剣を取り出す。


アル
『誰だっ!!』


王子
『ぷはっ!!アレ?また、私は迷ってしまったのか?』


アル
『アルフレッドアーリー様?』


王子
『アル君じゃないか!!これは有り難い!!私を良ければロイヤルパラディンまで連れて行ってくれないか?』


…連れて行くも何も、私も今迷って居るから無理な気が…。 私はアーリー様に理由を話し、とりあえず此処を抜けることを考えた。
出来るだけ早くデュークに会いたい…
その為には此処を通らないと…考えていたら更に草がガサガサと音を立てて、とっさにアーリー様を庇った。


ダーク
『アーリー?どこに居るんだー?って此処に…っておいおい。』


王子
『ブラスターダークっ!!』


ギュッとお互いに抱きしめ合い、再会を喜び合うアーリー様とダーク様…
ある程度落ち着いた頃合いを見て私は地図を見せ、ダーク様に問いただした。


アル
『ダーク様、アナタなら分かると思いお聞きしたいのですが…この地図の示す場所を教えてくれませんか?』


ダーク
『あーこの場所はだな?ってロイヤルパラディンかよ!!』

(っかアル君結構アルフレッドに似てるな?これ目の色赤にしたらアーリーとマジ双子…)


ダーク様が案内してやるよ!!アーリーを助けてくれたしと笑顔で私をロイヤルパラディンまで送ってくれた。


―ロイヤルパラディン界


ロイヤルパラディン界に着いた時にダーク様とアーリー様は仲良く私に挨拶をして手を振り帰ってしまわれた。
私も頭を下げ、お礼をした後デュークを探すことにした。
いつかはあのお二方みたいに私もデュークと…


アル
『…なんて、デュークの気持ちもあるのだから気長に待っていないとな?』
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