物語 2
□第三十九話
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冥界の催眠術師はそう言うと指をパチンと音を鳴らし、俺に囁いた。
冥界の催眠術師
『さぁ…闇に飲まれなさい…ダークくん、もうアナタに希望や光など無いのです…』
そう言われて目が虚ろになる…
普段なら良いがこんな時にっ…
ダーク
『っ…冥界の催眠術師っ…俺を出して何の…』
冥界の催眠術師
『覚醒側のダークくんは攻撃性があって好きだったんですけどねぇ?いつの間にか私の知らない所でこんなに可愛くなって…』
ダーク
『っ…ふわぁっ…!!俺は…俺だっ…』
耳元で囁かれ周りが真っ暗闇の空間の中 俺は独りだった頃を思い出した…
誰とも会話をしないでただ外ばかり見ていたあの頃の自分… 目を閉じると何故か アルフレット・アーリーやダークサイドプリンス・アーリーを思い出す…
お前達は俺達にとってこんなに大きな存在感になっていたんだ…
だが、俺はお前達程そんなに輝いて光る綺麗な存在ではない…
ダーク
『っ…ダークサイドプリンス・アーリーっ!!』
冥界の催眠術師
『おや…?覚醒側はどうやらアルフレット・アーリーよりダークサイドプリンス・アーリー側の方に惚れているようですねぇ?』
クスクスと笑いながら俺に言う冥界の催眠術師…
とりあえずコイツから逃れないと…
ダーク
『そんな事はどうでもいいっ!!この闇から俺を出せ!!』
冥界の催眠術師
『何を言っているんですか?ダークくん?アナタがこの闇の空間を作ったのですよ?』
ダーク
『何っ!!』
こんな真っ暗闇の空間を俺自身が作っただと…?
一体どうして…
冥界の催眠術師
『この闇の空間なら私の趣味が出来そうですねぇ?丁度喧嘩した事だしいっそのことお二方をお忘れに…』
ダーク
『嫌だっ…違うんだっ…俺は忘れたい為にここに来たんじゃ…』
そうだ、俺は忘れたい為にここに来たんじゃない…
もう一度初心にあの頃に戻ってアルフレット・アーリーに謝りたくて… ここに来たんだ。
冥界の催眠術師
『さて…余談はさておき、もうアナタはここから逃れないと分かったでしょう?なら…私の好きにさせてもらいますよ…クククッ…』