物語 2

□第三十四話
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王子side


ブラスター・ダークにお前が格好いいから見ていたと言ったら優しい微笑みで笑われた…
ドキッと胸の鼓動と共に苦しさが不意に来た。
きっとこれは私では無いんだ…


王子
『ブラスター・ダークよ…』


ダーク
『ん?』


王子
『わ…私をっ…抱きしめてくれないか?』


勇気を出してブラスター・ダークに抱きしめてもらうことを願った…
ギュッと抱きしめてもらい暖かさが直接肌に伝わる。


ダーク
『どうだ?』


プリンス
『ああ…気持ち良い…ブラスター・ダークのぬくもりだ…』


そうだ…もう1人の私よ。
人のぬくもりというのは暖かいものなんだ…
きっとブラスター・ダークは気付いていない…

ダーク
『アルフレット・アーリーよ…お前はずっと俺の大切な人だ…ダークサイドプリンス・アーリーよ…聞こえていると良いが…』


ブラスター・ダークが私に宛てた言葉の後にもう1人の私に向けて言葉を耳元で囁きながら宛てた…


プリンス
『ウッ…ブラスター・ダークっ…』


ダーク
『俺だって、お前を愛しているんだ…お前以上にこうやって抱きしめて、お前のぬくもりを感じて、お前と共に同じ空間に居たいと願って居るんだ…』


もう1人の私が珍しく大泣きしていた… いつも素直になれなくて…
伝えたい言葉とは違う言葉を言って勘違いされて、夜に眠れ無い時は1人で泣いてブラスター・ダークを呼んでいた…
名前を呼んで返事が返って来ると言うのはこんなにも暖かくそして愛おしいんだな?


ダーク
『…っていつの間にダークサイドプリンス・アーリーに変わっていたんだ?』


…。本当に私だと思っていたらしい…
参ったものだ。
もう1人の私が怒り狂っているのも少しは気持ちが分かる気がする…


プリンス
『っ…つい先ほど変わった…』


ダーク
『今日は弱気なんだな?いつもの感じが…』


確かにいつもなら余裕な表情でブラスター・ダークを攻めているのに…
元気が無くショボンとしているもう1人の私…


プリンス
『は…春だからだ…』


ダーク
『憂鬱なんだな?』


憂鬱【ゆううつ=気持ちが晴れないこと。】??

何かに悩んでいたのか?
心の中でも私には悩み事を話さないもう1人の私が悩んでいたなんて…
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