小説《金色のｺﾙﾀﾞ》
□天に在る月・１
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放課後、息を切らせて渡り廊下を走る。めざすは音楽科校舎――別名、桜館。
星奏学院音楽コンクール、不定期に開催されるこのコンクールは楽器の種類も問わなければ、参加者の募集もない。
いわば謎だらけのコンクール。
こんな身近に、こんな探求心を擽られる美味しいネタが落ちているのに、拾わなくては報道部の名が廃る。
そんなわけで少しばかり情報収集をしてみたりした。そしたらやっぱり美味しいネタは転がっていた。
音楽一家に育ったサラブレット――月森 蓮。まずはここを押さえておかなくちゃ、でしょ？
今、彼がいると聞いた音楽室のドアを意気揚揚と開け放った。
「こんにちは！報道部、天羽菜美ですっ」
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