おとぎの国

□ヘンゼルとグレーテル
1ページ/4ページ

 

むかーしむかし

ある大きな森の入り口に
貧しいキコリの、家族が住んでいました。

子供は二人
男の子をアレン、女の子をグレーテルといいました。

家族はその日、一日の暮らしにも困る程でした。

その、理由は





「お腹空きました。」

『あたしもーッ!!
腹減りだよ、おかぁさーん!!!』

大食いの子供達のせいです。

二人は、フォークとナイフで
お皿をカンカン鳴らしながら
"腹減ったー"と騒ぎ立てています。

お父さんも、お母さんも
その姿にイラッとしていました。

だって、二人にあげる
食べ物はおろか、自分達が食べる物もないのですから…



「ウチには、そんなお金ないのよ。
あなた達に満足させてあげられなくて、本当にすまないと思ってるわ…」

お母さんが涙を流しながら言います。



『「お母さん…」』

これには、子供達二人も
胸が痛くなりました。

ですが…



『ってゆーか、お父さんがもっと、稼いでくれば良いんじゃない?』

「ですよねー」

なんて、父親を罵倒し始めます。

お父さんは泣きそうになってます。
お母さんはブチキレです。



「アンタ達、いい加減にしなさいよ!!!!?」




――――その夜――――




お父さんとお母さんは
考えました。



「俺が悪いのかな…」

「あなたは悪くないわ。
悪いのは、あの子達よ。
親を何だと思って…
そうだわ。
明日の朝、子供達を森の奥に連れていくの。」

「………森に?」

「そう。そこで焚火をたいてパンを宛がうの。
あの子達はバカだから、帰り道なんて覚えられないでしょうし、帰ってこれないわ。」

「そんな…実の子供を見捨てるのか?」

「だって…そうでもしないと、家族4人死んでしまうのよ?」

お母さんの話しに
お父さんはコクリと頷きました。
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ