【文章修業家さんに40の短文描写お題】(65文字以内)




01.告白(65)

何気ない会話の中でぽつりと落とされた言葉が瞬時に胸に光を灯す。
逸らされた横顔が赤く染まり、もう少しだけ傍に居たいと願ってしまった。

(武州時代/土方・ミツバ)


02.嘘(53)

最後の言葉を紡ぐ時、こみ上げる思いを歪んだ笑みで隠した。
悲しげな友の瞳に映る己も、泣いているように見えた。

(紅桜篇/高杉・桂)


03.卒業(51)

この日が来るのはもっと遠い未来だと思っていた。
振り返る事なく旅立つ彼らの背に、そっと小さな祈りを託す。

(3z/銀八)


04.旅(48)

夜気に肩を竦めて見上げた空に広がる雲を見つけ眉を顰めた友の肩をそっと叩く。
雨を呼ぶなら日を選べ。

(3z/雨男高杉と遠足大好き坂田さん)


05.学ぶ(52)

目の前に積まれた衣類の山に閉口する。
皆ですれば早いですよと笑う彼の手は止まる事なく新たな山を築いていく。

(万事屋/新八はお母さん)


06.電車(65)

他人に敷かれた道を歩むつもりはないと憤る彼の瞳は好奇心に輝いていた。
何故こんな天邪鬼に育ってしまったのかと異文化を前に途方に暮れる。

(村塾時代/電車を初めて見た高杉・桂)


07.ペット(65)

如何なる時でも側を離れずつき従い己を鼓舞する。
いつしか愛玩動物ではなく一人のかけがえのない友となった彼との出会いに心からの感謝を。

(桂とエリザベス/桂は盲目)


08.癖(67)

時折零す言葉に彼の心は未だあの光を忘れてはいないのだと思い知る。
隣立つ存在になどなれはしないと知っているのに焦がれる想いは止まらない。

(鬼兵隊/総督と部下)


09.おとな(66)

鼻唄を歌いながら床に倒れた雇い主は実に幸せそうな寝顔を晒す。
毎度の事に呆れながらも二人がかりで寝床へ運び、こうはなるまいと心に誓う。

(万事屋/ほろ酔い銀さんと小さな保護者達)


10.食事(61)

肘をつくな箸を正しく持て背筋を伸ばせ。
口やかましく叱咤して回る友の姿は幼き日を思わせる。
彼の人の言葉は箸を持つ指先にまで。

(攘夷時代/桂のマナーは先生直伝)


11.本(76)

大事なものは大切にしまうべきだと彼は言う。
大事なものならば肌身離さず持つべきだと彼が言う。
大事なのものは全部自分の中にあると言って彼は空高く放り投げる。

(現代攘夷/桂と高杉と銀時)



12.夢(76)

そんな事言うのも今だけだと笑う彼の背中を追う。
そうじゃない、そうはなりたくないのだと、言葉をひとつ飲み込んで。
彼と彼女と3人で、これからも、ずっと共に。

(万事屋/新八の青臭い夢)


13.女と女(69)

常夜の町で艶やかな笑みを刻む彼女の涙を、彼女は知っている。
凛とした背に修羅を刻む彼女の優しさを、彼女は知っている。
対の光は、互いを照らす。

(吉原/日輪と月詠)


14.手紙(62)

拝啓前略お元気ですか敬具追伸。
連ねられた言葉を読み流して積まれた紙の束に放る。
百度筆を取る暇があれば、一度黙って会いに来い。

(現代攘夷/筆まめな坂本に呆れる坂田)


15.信仰(48)

戦に赴く際に鳴り響く刀の微かな金属音。
いつしか習慣になったその音の中に、込める想いは互いの帰還。

(攘夷時代/言葉に出さない祈り)


16.遊び(66)

はたり、と眼前に降りだされる尾を邪魔くさげに払いのける。
幾度か繰り返されるその行為に夢うつつにうなされる主に、またそっと静かに尾を降ろす。

(銀時と定春/飼い犬に弄ばれる飼い主)


17.初体験(61)

青空の下を声をあげて駆ける。
繋いだ手のひらにかいた汗すら心地よい。
朱に染まる頬の互いの顔を付き合わせ、また一声大きく笑う。

(神楽とそよ姫/互いに初めての友達)


18.仕事(60)

うず高く積まれた書類に目を通す。
誤字脱字の行進に溜め息をひとつ。
筆を取ったその瞬間襲う爆風に吹き飛ばされ、煙の中聞こえる嘲笑に怒声を発する。

(真選組/上にも下にも問題児)


19.化粧(65)

白粉をたたき、紅をさし。
豪奢な簪で髪を飾って。
夜の華よと謳われる己ではなく、ただありのままを晒した己を好いた男のぬくもりは、この指に。

(鈴蘭/傾城の幸せ)

20.怒り(63)

薄いガラス戸越しに様子を伺えば微かな気配。数ヶ月分の請求書を胸元に捩じ込み、裾を上げる。貯まりに貯まったのは家賃だけではない。

(大家様/居留守はきかない)

21.神秘(69)

濡らしても伸ばしても捻っても、元ある形に戻る銀色を今日はどうしたら面白いかと思う彼女はほくそ笑む。己の髪とは違うくせが不思議でたまらない。

(神楽と銀時/天パは神秘)

22.噂(68)

艶やかな髪を垂らしクソ真面目な顔で客に暴言を吐き続ける男には、話に聞く気配は感じられない。狂乱という2つ名だけが、この男には当てはまる。

(幾松と桂/狂乱のアルバイト)



23.彼と彼女
24.悲しみ
25.生
26.死
27.芝居
28.体
29.感謝
30.イベント
31.やわらかさ
32.痛み
33.好き
34.今昔(いまむかし)
35.渇き
36.浪漫
37.季節
38.別れ
39.欲
40.贈り物




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