話
□纏う
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戦場を駆る夜叉は血を纏う。
誰もが息を呑み呆然と立ち尽くし、
見つめるその刃の煌めきは、
時に美しき禍々しさを魅せる。
けれど、己はそんなものは見たくはない。
己が見たいのは。
戦場を離れた夜叉は光を纏う。
その姿は月夜の晩がよく似合う。
雲間から射す月に照らされ、
微笑う姿が見たいのだ。
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