Short Storys
□ネット☆らぶ
7ページ/9ページ
「あ〜、あった〜。…よかった」
もぅ〜。かなり焦ったよ〜
机の中に入れっ放しで帰るなんて、なんておバカ…
私は携帯を握りしめると教室を出た。
ん?
向かい側の校舎をすごいスピードで三上先輩が走って行ったような…
廊下の窓から向かい側の校舎が見え、私は首を傾げる。
「ま、いいか。早く帰ろう」
私は携帯を開いて時刻を見る。
「わ!もうすぐ10時だし!」
いま、どのくらい集まってるのかなぁ…
私はギルドのHPを開く。
お茶室に入ると、5人の名前があった。
「ん〜。今は…ジルさんと紫苑さんと…う〜ん、ロシナンテさんはまだ来てないのか〜」
私は歩きながらお茶室へ入室する。
「まずは…『こんばんは〜』かな?」
私が入力すると、もうすでに挨拶されている。
「うっわ!みんな早!」
みんな打つの早いなぁ…
私はとりあえず、話しの内容をみるのに専念する。
その間にもどんどん更新されていく内容…
…もぅ、いいや。いまは特に重要な話してるわけでもなさそうだし。過去を振り返るのはよそう。
『幻狼さんが入室しました』
私がアタフタしてるとお茶室のチャイムが鳴る。
「あ、この人ってこのギルドのリーダーさんだ♪」
私はウキウキと挨拶する。
この人もロシナンテさんほどじゃないけど、冒険誘ってくれるんだよね〜。
『幻狼
こん(。・_・。)ノスマン忘れてた(>_<)』
えぇ〜?リーダーさんが忘れるってどうよ?
『幻狼
で、いまダッシュで帰宅中。ということで一旦オチル』
うわ〜
私は、校舎内をダッシュしてた三上先輩を思い浮かべる。
そういえば、先輩もジュエルやってたよね〜…
マサカ(^_^;)
う〜ん、ありえる。
携帯から顔をあげるとほとんど前進してないことに気付いた。
これはマズイ
私も一旦落ちよう。
私は一旦落ちることを打って、携帯を閉じた。
『ユ〜ナ☆
そうですか〜。だからそういうこと言ってたんですね〜!』
『紫苑
そう。だから気をつけて〜』
あれからお茶会のリズムにも慣れ、かなり楽しんでる私。
ちゃっかり一階からお菓子と麦茶を持ち出してきて、ずいぶんとくつろいじゃってるところ。
更新ボタンを押すとチャイムが鳴る。
『ロシナンテさんが入室しました』
「あ!ロシナンテさんだ!やっと来た〜!!」
わたしは勢い良く挨拶を打って送信した。
『ロシナンテ
みんなこんばんは〜
遅くまで頑張ってるみたいだね〜』
ていうかロシナンテさんが遅いんだよ〜。今何時ですか〜?もう十一時ですよ〜!
私は心の中で叫びながら、更新ボタンを押す。
『紫苑
ていうかロシナンテ、遅すぎ〜(怒)
十時くらいって言ってなかっ た?』
紫苑さんナイス。
『ロシナンテ
バカがぐずぐずしてるせいで用事終わるの遅くなってね〜
しかもそのバカ、きょうの茶会のこと忘れてんだよ〜
ありえん(`´)』
そ、そのバカって幻狼さんのことですか?
え?ってゆうか何で用事に幻狼さんが関係あるんだろ?
『紫苑
あ、そうか。リーダとロシナンテってリアでも知り合いだったね』
『ロシナンテ
ちっ…
縁切りたいな〜(`´)』
うわ〜。ロシナンテさんが毒舌。
ピンポーン
「幻狼さんが入室しました」
あ。なんてタイミングが良いんだ、この人。
『幻狼
お〜、そんなところにいたのかい。マイハニー\(^0^)/』
ああ、そしてなんてアホなんだろう。
『ロシナンテ
っち…。
きもいよるな』
『幻狼
きみは私のことを愛してくれていないのかい?
かなしいよ…』
あ〜あ、たいへんだ〜
『ロシナンテ
ユ〜ナちゃ〜ん!』
え?呼ばれてる。
『ユ〜ナ☆
はい?』
『ロシナンテ
あ。いたいたノシ
姿見ないから、寝落ちしたのかと思った』
『幻狼
おい。ロシナンテ俺を無視すんのか!』
『ユ〜ナ☆
いえいえ。まだ起きてますよ〜
』
『ロシナンテ
ユナちゃんも遅くまで頑張ってるね〜』
『幻狼
おい。こら』
…うわ〜。思いっきり露骨に幻狼さんのことシカトしてるよこの人。
うわ〜ん。私を巻き込まないで…クスン
『幻狼
そうか。無視か無視なのか
それなら俺にも考えがあるぞ』
『幻狼
小さいころの恥ずかしい出来事をここで大声で叫ぶぞ!』
『ロシナンテ
ふ〜ん。そんなことしていいの?そんなことしたらお前の愛しのあの子にいうよ?』
『幻狼
…なにを?』
『ロシナンテ
いろいろ。ふふ』
こ、こわいよ〜(泣)
ロシナンテさんが黒いよ〜(泣)
『紫苑
おれ。そろそろ落ちるわ;』
『ロシナンテ
はいはい。おやすみ〜』
「紫苑さんが退室しました」
あ!うそ!紫苑さんが先に逃げちゃった;
やだ〜(泣)
私も…
『ロシナンテ
ユナちゃん。
ゆっくりお話しようね?』
逃げられない〜!!
そ、そろそろ離していただけませんか?
『ロシナンテ
今日の茶会楽しみにしてたんだ』
『ロシナンテ
ユナちゃんとちゃんとお話しできると思ってね。茶会開くように幻狼に頼んだの』
『幻狼
そうさ!
感謝してくれ。俺には関係ないから記憶から消し去ってたのに』
『ロシナンテ
いや、それはただ単に忘れてただけだろ。
まあ、茶会開いてくれたことには感謝だけどな』
『幻狼
じゃ、俺落ちるわ。あとは仲良くしな。』
『ロシナンテ
帰ってくんな(^^)ノシ』
『幻狼
後片付けよろしく』
「幻狼さんが退室しました」
私はそのやり取りをぼけ〜っと眺めていた。
何この展開。…どういうこと?
『ロシナンテ
やっと邪魔者消えたな〜』
……
……
『ロシナンテ
ちょっとユナちゃん?起きてる〜?』
あ。ロシナンテさんに呼ばれてる。
『ユ〜ナ☆
はい。大丈夫ですが…』
『ロシナンテ
うんじゃ、お話ししよ?』