Short Storys
□Forbidden
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「お…にい、ちゃ…、もう…ゆ、ゆるしてぇっ…」
ギシギシと軋むベッド。
波打つ、薄桃色のシーツ。
シーツの上を這う、黒い髪。
ギシリ…
音をたてて紅潮した白い手が、浅黒い、ゴツゴツとした腕を後ろ手に掴む。
「きゃっ…」
男は乱暴に白い肩を掴むと、体を反転させる。
女の顔が、露わになった。
まだ、少女に見えるその顔は、恐怖に震えて、涙でぐしょぐしょになっていた。
男は、それを見て妖しく微笑む。
自分が欲情しているのが、分かった。
「も、…や、めてぇ…」
少女が、懇願する。
男は、少女の頬を軽く撫でると、
挿入した。
「いっ! …いやぁあ!」
部屋の中に、少女の叫び声が響いた。
―篭った匂い。
揺れる肩。
くぐもった泣き声。
男は少女の肩に手をかける。
ビクリと少女の体が震え、ヒュッと笛を吹くような声を漏らした。
男は少女を見下ろすと、その濡れた頬に口づけを落とす。
そっと離れるが、少女は男の方を見ようとはしなかった。
男は少女に背中を向け、妖しく口元を緩ませると、部屋から出て行った。
くぐもった泣き声が、その部屋に満ちた。