Short Storys
□風花
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―君を、初めて見付けたのはいつだったっけ…?
どこまでも青い空の下、
真新しいセーラー服に身を包んだ君、
僕の事を見つめる人は沢山いるけど、
何故だか、すごく印象的だったんだ…
朝からポカポカとした陽射し。
空もスッキリと水色。
風もないし。
僕は、めいいっぱい腕を広げて、僕の花達を抱きしめた。
みんなの薄ピンク色の花びらが眩しい。
今日は僕がいる学校の入学式。
今年も沢山の新入生が来るんだろうなぁ、なんてウキウキする。
あ、校長先生だ。
今日もお早いご出勤で。
健康の為に歩いて来る校長先生は、いつも始業の一時間前には出勤してる。
それにしても、あの授業サボっては僕に登って隠れてたタケちゃんが、校長先生だって。偉くなったもんだね。
びっくりびっくり。
「今年も綺麗に咲いたなぁ」
校長先生が両手を腰に当てて、満足気に頷いてる。
そうでしょ。今年も先生達みんなでお花見かな?
「風花も見たいって言ってたし、連れて来るかな」
えぇっ? 嘘でしょ?
風花ちゃん来るの?
僕は校長先生の言葉に驚いた。
だって、彼女は僕の初恋の人だから…