短話

□そんな事もあるさ。
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して、現在に至るという訳か。





つまりアレですか。

俺で暖を取りたかっただけだという…ね?


人肌は暖かいって言うしね〜。
あはははははは。












とりあえず、俺は帰った方が良いと思う。


こんな4時半ぐらいに外出んのなんか寒くて嫌だけど、仕方無い。

こんな時間に目が覚めたのは、きっと『帰れ』っていう神の警告なんだ。
うん。きっとそうに違いない。


「………ん…、」


パパの声がして、ちらっと見る。

俺が起き上がってしまった為、パパも肩まで掛かっていた毛布が多少捲れてしまったようだ。

少し寒そうに身を縮めるパパ。




何だかちょっとした罪悪感を感じたので、肩まで掛け直してやる。












一体何をやってるんだ?俺は。







「……うん……帰ろ…。」



そう呟いて、ベッドから立ち上がる。
ギシリッと小さく音を立てたかと思うと、俺はまた動けなくなった。




「…………どしたの?…パパ。」
「……………。」


服の端をちんまりとではあるが、しっかり掴んでいて離さないパパ。


やっぱり貴方力強いわね。





「……………い…」
「………え…?」


ぼそっと呟くパパに耳を傾ける。






「……………寒い…。」





そう言って、うっすらと開けた目で、じっと俺を見詰めてくる。


横になっているので、髪が乱れてて、やけに露になる首筋や鎖骨辺りが異常に目立つ。









………うわぁ……エロ…っ…







とか反射的に思った俺は重症。
病院行きの入院確定です。
御愁傷様。






これが子持ちの色気なんですか?父上様!!


冷静になれ結月。しかも"こいつ"は、まだ子持ちじゃないから。

とか、訳の分からない事ばかりを考えていたら、パパがぐいぐい引っ張って来た。



仕草はやけに子供なのね。
甘えたは困ったもんだ。



とりあえず俺も肌寒いので、布団に戻る。

そしたら、腰に手を回しながら、胸元に顔を埋めて来るもんだから、本気で困ったものだ。

パパの髪が、鎖骨辺りに触れてくすぐったい。

とか思ってる俺を、地球滅亡ぐらいのレベルで殴りたい。




とりあえず、
こいつまだ酔いが覚めてねぇな。




「………ねぇパパ…俺帰ろうと思うんだけど。」
「……………やだ…。」
「何で。」
「……俺が…寒いから…。」
「…………でも…絶対朝起きたらパパ、俺の事殴るでしょ?」
「…………?」





何で『?』浮かべるかなぁっ!?

貴方絶対怒るでしょっ!?
私分かってるんだからねっ!!





………何キャラ?







再びうとうとし始めるパパ。


「…パ〜パ〜?寝ちゃうの〜?」
「……ん〜…」
「……っていうか、大体…何でいつも俺な訳?」
「……………お前…暖かいから…」
「…………………………パパが冷た過ぎるんじゃない…?」




色んな意味でも…さ。





気が付けば、パパはすーすー寝息を立てていて。





あ、これ完全放置プレイだ。
俺完全に目ェ覚めてんだけど。







とりあえず、
こんな間近で見るパパの寝顔が貴重だったので、携帯で写メっておいた。







成程。
確かに美人顔なだけはある。





目の前にある俺好みな髪の毛を、わしゃわしゃとして、


静かに寝顔を堪能させて頂く事にした。







自分から寄って来といて
殴るのは理不尽だと思う。





 
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