長話
□ep6
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「…って言うか、クゥちゃん短気過ぎるでしょっ!!ちょっと君の中学ん時の期末テストの点数見て大爆笑したからって、あんな怒る事ないじゃんっ!!」
「だからっ!!キレねぇ方がおかしいだろっ!!テメェの常識と俺の常識を一緒にすんなっ!!」
「クゥちゃんの馬鹿っ!!短気っ!!死んじゃえっ!!」
「じゃあ何か?テメェは俺に同じ事されてもキレねぇんだな?」
「同じ事されたら?…そりゃあ勿論…………殺す。」
「自分勝手か。」
「うっせぇクソが。」
「……ほぉ〜う…?…相当余裕みたいだなぁ…椎名くん?」
「………あ…」
空夜は血管を額やこめかみに浮かべながら、静かにその場から歩き出した。
「………嘘ですっ!!ごめんなさいっ!!クゥちゃん許してっ!!
………あ。でもどうせやられるなら、机に向かってぶん投げて欲しいな♪」
「知るかぁっ!!黙れドMっ!!」
「ドMで何が悪いっ!!」
「開き直んじゃねぇっ!!」
ギャアギャア喚きながら、2人はその場から離れて行った。
残された生徒は、2人の後ろ姿を見送ったまま、その場に立ち尽くした。
……………クス……ッ
その生徒は、紅い瞳を細めて、クスクスと笑い出した。
そしてゆっくり信号を渡り切る。
赤だった信号が、青に変わった。
その生徒の元にもう1人、同校の生徒が駆け寄って来た。
「………大丈夫か…っ!?すまない。すぐに駆け付けられなくて…」
「……うん…平気。……それよりも、良いものを見たよ。……いや…会ったって言った方が正しいのかな?」
その生徒は、さぞかしおかしそうに、腹を抱えた。
「…はは…っ、……………ビンゴだよ…でかした。白草(しらくさ)。」
「…………会ったのか…。」
「……まぁ…向こうは全く気付いて無いみたいだけどね〜…。」
白草肇(しらくさはじめ)は、携帯を開き、時刻を確認した。
「……行こう……時間が無いぞ…
………雨宮(あまみや)…。」
「…………勿論…。」
その生徒、雨宮釉樹(あまみやゆうき)は、綺麗な笑顔を向けて、白草の前を歩き出した。