長話

□ep9『死角求愛行動』
3ページ/42ページ




俺は
『愛された事』が無い。








だから与えられる
『それ』が

差し伸べられる
『それ』が


心の中に抱く
『それ』が



分からない。


受け取って良い物か分からない。







怖い。




怖いんだ。








俺は『愛』が分からない。




『愛』を受け取る事が怖い。









『それ』は
俺の受け取って良い物じゃない。





だから分からない。


認識出来ない。



理解が出来ない。






何でお前は
そこまで俺の為に生きられるのか分からない。






やめてよ。









怖いんだよ。











あの時みたいに

呼んでも来てくれないのが
分かっていても



それでも
求めてしまうのが


どうしようもなく
怖いんだ。






貴方が見ていたのは
俺じゃない。




貴方が愛していたのは
俺じゃない。





分かってるよ。




全部分かってるよ。



全部知ってたよ。









だからあの時


それでも名前を呼んでしまった事が
怖いんだ。








俺は今でも

怖くて貴方の名前を
呼ぶ事が出来ない。







でも










もしも










もしも1つだけ


叶うなら









今度こそ









俺が呼んだら








駆け着けてくれますか?









他の誰かじゃない。








俺には『貴方』が必要なんです。








だってほら、











生まれ変わった現在(いま)でも



俺は貴方への想いは忘れて無い。


 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ