長話

□ep5 to ep6『再来』
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『愛してる』




って言葉を、恋愛的対象にしか使えない。


と、思っている奴は、

クズだと思う。




『愛』というモノは、万物に対して抱いても良い感情で、その対象に対して絶対的に揺るがない依存性を見せ、心の底からソレを求めているのであれば、

それは紛れもなく『愛』だと思う。









俺は人間が嫌いだ。









『好き』の反対は『嫌い』。
『愛してる』の反対は『無関心』。

『好き』と『愛してる』は、類似した全く別の違う言葉。


つまり何が言いたいのかと言うと、



『愛してる』の反対は『嫌い』では無い。



と、いうこと。







俺は人間が嫌いだ。

強いて言うなれば、大っ嫌いだ。
人間以上に信用出来ないモノなんて無い。


人間という生き物には『感情』が存在する。




だからいけないんだと思う。







人間という生き物たちは、

下手に感情を持ち過ぎているが故に、







それは時として、酷く残酷に

何かを愛してしまうんだと思う。





人間はどんな生き物よりも

自分勝手で




そして
弱い生き物だ。












嫌いなんだ。



どうしようもなく。









………でも、



俺の求めてるソレは




俺が本当に欲しかったソレは








間違い無く、
俺が大っ嫌いな『人間』しか持っていなくて。







誰よりも愛して欲しかった
愛してはいけないその人にしか無くて。





どうしたら良いかなんて分からないんだ。







子供みたいな事を思って、

大人ぶった態度に出る。




そんな事をしたって、
何の意味も無い。


分かってるんだ。


ただ座って、与えられるのを待ってるだけじゃ駄目だなんて。



でも、ソレがどれなのか分からないから、探す事も出来なくて。





迷う事を恐れて、壁を作って閉じ籠る。




最初から知らなければ良いんだ。

ソレに触れる事さえしなければ、
無くした時の辛さなんて感じない。



独りで居れば良い。




俺は独りで良い。





誰かが隣に居たりなんかしたら、


離れた時に独りになる辛さを感じるから。





ずっと壁の中で独りで居れば、

『強さ』も『弱さ』も

知らなくて済むから。





そう思っているのに、


俺はいつも

壁の向こうのソレを求めているんだ。






『優しさ』と『愛』は同じじゃない。


分かってる。


分かっているけれど、錯覚を感じるほど類似したソレに、たった一度でも触れてしまった。




もう駄目なんだ。


俺は独りじゃ居られない。




独りじゃ生きられない。









そんな事

知りたくなんて無かった。










俺が本当に欲しかったモノって?





『優しさ』?


『愛』?





『ソレ』は一体何ですか?







答えが分からなくて立ち尽くす、迷子と同じ。










『愛』の定義って何ですか?










『愛』って何ですか?









俺が求めてるソレは…














……一体、何なんですか?















お願いだから












「俺の事を愛さないで。」










俺はいつだって独りだ。


 
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