頂きモノ

□戀をしています、貴方に。
2ページ/6ページ

「あ…あの!俺、朽木さんのことが好きです!付き合ってください!!」
「………は?」

ルキアは思わず男子生徒を凝視した。この男、何を言ってるんだ?と考える。
告白した男子生徒の方は、ルキアが黙り込んだので少し焦っていた。それと同時にもしかしたら…という淡い期待も持つ。
ルキアはほんの少し首を傾げて男子生徒に尋ねた。

「付き合うって…恋人同士になるってことですよね?」
「そ…そうです!!」

男子生徒は期待を込めてそう答えた。しかし。

「ごめんなさい。私、誰かとお付き合いするつもりはありませんの」

ルキアはキッパリと断った。その瞬間、男子生徒の肩がガクンと落ちる。
その様子を苦笑いしながら見つめ、「では、私はこれで…」とルキアは頭を下げてその場を去ろうとした。

「黒崎と付き合ってるの?」
「え………?」

思わず立ち止まって男子生徒を見る。すると男子生徒は苦笑しながら言った。

「黒崎と仲が良いし、一緒に住んでるっていうからさ。付き合ってるのかな〜って………」
「………付き合ってません。そんな風に勝手に思わないでください」

ルキアは少しきつめに言った。その様子に男子生徒は少し怯んだが、更に続けた。

「誰とも付き合ってないなら、友達からでいいから俺と………」
「あ!朽木さん」
「小島くん?」

男子生徒が言い募ろうとした時、背後からルキアを呼ぶ声がした。振り向くとそこには水色がいた。
水色はニコニコと笑いながらルキアたちの所にやって来た。

「朽木さん、日誌渡した?教室で一護がなかなか戻ってこないってイライラしてたよ。早く戻らないと」
「そうなんですか?教えてくれてありがとうございます」
「あ…俺はこれで………」

水色の出現と一護の名前を聞いて、男子生徒はそそくさと去っていった。
後味が悪い感じだが、ちゃんと断っているから大丈夫だろうと思いながら、ルキアは溜息をついた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ