頂きモノ
□Comfortable place
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春の日差しが降り注ぐ。
少しだけ窓を開けると、風が温かく頬を撫でるのが、心地よく。
そんな、麗らかな日の午後。
「ルキアー」
「何だ?」
「頼みがあんだけど」
「頼み?」
何を頼まれるのかとルキアは身構えたが、一護の眉間のシワが緩んでいるのを見て、大した頼みではないのだなと判断した。
「何だ」
「そこ、座って」
「ここか?」
一護が指し示したリビングのソファ。
ルキアはいつも自分が座っている端の席、いわば定位置に、わけのわからぬままちょこんと腰掛けた。
「あ、もーちょい深く座って」
「何なのだ?」
「よし、おっけ」
「何が――…って、一護貴様」
「あ――…いいわ」
ソファに寝転がり、一護は自身の頭を、ルキアの膝の上に預けたのだった。
「まったく…」
呆れた奴だ、とルキアは一人ぼやいたが、あまりにも一護が気持ち良さそうな表情を浮かべているので、まあいいか、と大目に見ることにした。
「あ、ヤバい寝そう」
「寝るな」
「だってよ、オマエの膝、気持ちいんだもん」
たまの休日。
こんな日もありかも知れない。