頂きモノ

□Listen carefully
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放課後の学校は面白いことがいっぱい。
誰かが好きな子に告白したり、あの子があの人と手を繋いで帰っていたり。
ぶらり校舎を歩くのも悪くない。
そう思いながら水色は教室に忘れ物を取りに帰ってきた。友達の啓吾は校門で待たせてある。
部活の掛け声が響く廊下。
自分の教室に向かっていると誰もいないと思っていたのに話し声が聞こえた。水色は閉められた教室のドアに凭れかけた。
「一護、私の鞄を取ってくれ」
「はいはい」
声の主は水色の中で大フィーバーを起こしている恰好の獲物、黒崎朽木カップルだった。
この二人は周りがどう見ても付き合っているとしか言い様がないのにどういうわけか意地でも隠し通そうとする。
その分変わりようのない真実を二人に突き付けてからかえれるから飽くことがない。
水色は二人の会話を聞くことにした。
「大体貴様はいつも唐突すぎるのだ。こっちにも心の準備というものがあるだろう?」
「…仕方ねーだろ。思春期なんだし」
「家まで我慢できんのか」
カーテンを閉めろというルキアに一護は素直に動いた。
「諦めてください」
「なに?」

「つか、お前見てるとムラムラするっていうか…ウズウズするっていうか…」
ああ。そういうこと。
「なッ…!たわけ!ちょっと口付けただけで覆いかぶさってきおって!」
「つーかさっさとボタンしめてリボンつけろ!チラチラして気になってしょーがねー!」
「ッえろ一護!」
「健全な反応だ!!」
もう確証でしょ、その会話。
実際にそうなんでしょ?それも一護はいつも唐突に朽木さんを求めるんだねー。
いいこと聞いた。
どうやってこのことを回してやろうかと水色はほくそ笑むのだった。



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