頂きモノ

□戀をしています、貴方に。
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私は貴方に恋をしています。



戀をしています、貴方に。



真冬の冷たい風を肌で感じながら、ルキアは中庭を歩いていた。
今日は日直で、書き終わった日誌を担任である越智に渡しに職員室にいったのだが、珍しく外に出ていたらしく職員室にはいなかった。
仕方がないので日誌を机に置き、越智を探すためルキアは外に出た。置いたままにしておくのは嫌だったので、一言いっておこうと思って。
越智はすぐに見つかった。他の教師とジュースを買いに行ってたらしい。
日誌のことを伝えると「すまなかったな」と越智が笑ったので、ルキアもニッコリと微笑んでその場を去った。

「早く戻らないと、一護が気にしているだろうな………」

ルキアはほんの少し足を早めた。教室には同じ日直で、恋人でもある一護が待っている。
一護と付き合っていることは秘密にしている。家族公認とはいえ、恋人同士が同じ屋根の下で…というのはさすがにヤバイだろうということで。
二人の仲を知っているのは、石田・織姫・茶度の三人。つまりルキアの正体を知っている人物のみ。
秘密にしていることに不満はないが、一護が他の女子から告白されているのを見ると何ともいえない気持ちにはなった。
そんなことを思いながら、ルキアは教室に向かって歩く。

「朽木さん!」
「はい?」

突然呼ばれて、ルキアは声がした方を見る。そこには見たことのない男子生徒が顔を真っ赤にして立っていた。
ルキアは「何でしょうか?」と微笑む。すると男子生徒は更に顔を真っ赤にして、ボーっとルキアを見つめる。

「あの…ご用件は何でしょうか?私、人を待たせてますの」

男子生徒が一向に喋ろうとしないので、ルキアはやんわりと、しかし力強く尋ねる。
すると男子生徒は本来の目的を思い出したようで、背筋を伸ばし、真剣な眼差しをしてルキアに言った。
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