頂きモノ

□戀をしています、貴方に。
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ずっと、ずっと気になっていた。一護の恋人が自分でいいのだろうか…と。
織姫やたつき、他にも可愛らしい女子がたくさんいるのに、住む世界が違う死神の自分でいいのだろうか…とルキアは思っていた。
一護は人気がある。そんな一護に自分は似合わない。彼に似合うのは明るく可愛い女の子。

―――昔憧れていた、海燕と都のような。大好きな兄と姉のような、美しい関係に自分はなれない―――

そんな風にルキアはずっと悩んでいた。それを何故だかわからないが、水色に相談してしまったのだ。
「自分と一護は似合わないのではないか」と。
水色は黙ってルキアの話を最後まで聞き、ルキアが話し終わると徐に口を開いた。

『朽木さんがそんなことで悩んでる方が僕にはわからないな。二人はすっごくお似合いだよ?君たちを見てると、あ…お互い相手が大好きなんだなって思うよ』

そうだろうか…とルキアが考え込むと、水色は楽しそうにこう告げた。

『朽木さん。他人なんて関係ないよ。要は自分と相手が幸せならそれでいいんだよ。好きだって気持ちを相手に伝えられるのは、それだけで幸せなんだよ』

ルキアは目を瞠った。水色はそんなルキアに続けて言った。

『一護に好きだって言ってみなよ。きっと一護も好きだって言ってくれるよ』



一護はジッとルキアを見つめる。ルキアは恥ずかしくなって目を逸らした。
勢いもあって「好きだ」と連発してしまったが、よくよく考えたらいきなり「好きだ」と言われても一護は何のことかわからないだろう。

「す…すまん。何か変なこと言ってしまったな。聞き流してくれ」

ルキアはハハハ…とカラ笑いしながら一護から離れる。ところが一護に腕を掴まれ引っ張られる。ルキアは再び一護の胸に飛び込む形となった。

「一護?どうしたのだ?」
「言い逃げなんて、卑怯だぞ」
「へ?」

抱き込まれて焦るルキアに一護は言った。

「好きだ。俺もお前に恋してる。今までも、これからも。ずっと」

本当だ…とルキアは思った。
好きと伝えたら一護も好きだと言ってくれた。それだけで幸せになった。他人なんて関係ない。水色の言ったとおり。

「…ったく。いきなりどうしたんだよ?」
「何でもない。でも偶には学校で好きだと言って、イチャイチャするのもいいな」
「………そうだな」

照れる一護にルキアはそう言うと、一護も頷いた。ほんのり頬を染めて。
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