頂きモノ

□戀をしています、貴方に。
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「遅かったな」
「すまんな…先生が職員室にいなくてな、探してたのだ」
「そっか」

教室に戻ると、一護が不機嫌そうに呟いた。時計を見ると職員室に向かってから一時間以上経っていた。
ルキアは素直に謝り、遅くなった理由を言った。もちろん告白されたことと、水色と話していたことは言わなかったが。

「じゃあ、帰るか」

そう言って、一護は自分のカバンとルキアのカバンを持って立ち上がった。ルキアが帰ってきたら直ぐに帰れるように用意していたらしい。

「一護!!」
「何だよ?」

教室から出ようとする一護をルキアは呼び止める。一護は首を傾げながら振り向いた。
ルキアは一護の側に行くと、そっと両手を伸ばして一護に抱きついた。いきなり抱きつかれた一護の方は、驚きのあまり言葉を失う。

「ルキア?」

ようやくパニック状態から脱した一護が恐る恐る尋ねる。するとルキアは両手でギュッと一護の服を握り締める。
いつものルキアらしくない行動に一護は更に困惑する。その時ルキアがポツリと呟いた。

「好き…大好き。私は貴様に恋をしている」

一護は目を瞠った。一体ルキアは何を言っているのだろう…と思う。
秘密にしているとはいえ、自分たちは付き合っているのだから、好きとか恋をしてるとかは当たり前ではないか。

「お前…どうしたんだよ?」

一護は自分に抱きつくルキアを少し離して顔を覗き込む。
目が合うとルキアはニッコリと微笑みかける。そして再び一護に抱きつきながら言った。

「大好きだからな!私は貴様に恋をしてるんだからな!!他のヤツに負けないくらい!!」
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