Duranta

□◆第四章 会議◆
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「この頃は我が領地内で奇妙な旅人をよく見かける」

突如として現れた騎士の一団。

その中でも一際偉丈夫な騎士が乗る一騎が二人の前に進み出るとそう言った。

兜の下から鋭い眼光が二人を見つめている。

その強い光に耐え切れなくてルリは目の前で自分で庇うように立ってくれている男の影に隠れた。

「先日は人間にエルフにドワーフの三人組」

ルリは弾かれたように騎士を見上げる。

彼の言う奇妙な三人組はアラゴルン達に違いない。

この広い中つ国でもエルフとドワーフなどという珍しい組み合わせは彼ら以外にはあり得ないだろう。

「今度は顔を隠した男にひ弱な女性か…」




『アラゴルン様達は…彼らはご無事でしたか!?』




勢い込んで尋ねる彼女に少々驚く騎士。

少し考えていたが彼女の身につけているマントとブローチが先日の三人組と同じだと気付いて答えをくれる。

「私が見た所、十分元気そうだったが」

そうですか…とホッと息をつく彼女に相手は言葉を続ける。

「友人を捜していると言っていたが。我らが壊滅させたオーク達に掴まっていたらしい」

貴女のことではないようだが…と騎士の続く言葉はルリの耳には入ってなかった。

オークに掴まっていた…者…。

ルリの脳裏にウルク=ハイに連れて行かれるホビット達の姿が蘇った。

『その掴まっていた人達は? 助けていただけたのですか?』

ルリの言葉に騎士は少し悲し気に瞳を伏せた。

「三人にも同じ事を聞かれたが…。分からない。我らがオーク達と一戦交えた時にはそのような者はいなかった…と思う。逃げ仰せたか…戦いに巻き込まれて命を落としたか…」

ルリはがっくりとその場に膝をつきそうになり、支えられた。

『メリー…ピピン……』

 
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