Verbena
□◆第十四章 道標◆
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強く優しかった偉丈夫の大将。
国を愛し民を愛し…誰よりも真直ぐだった。
その実直で強過ぎる心こそが指輪に狙われたのかもしれない。
自分を背負ってくれた大きな背中と支えてくれた暖かい手。
そして照れくさそうな笑顔。
ルリの頬を止めどない涙が伝う。
彼女の悲しみを感じとったのか、ハヤブサがキーキーと鳴き声を上げる。
ルリは彼の胸を指の背で撫でると空へ放った。
それを待っていたかのように別の鳴き声が彼女の注意をひく。
これ以上悲しい知らせでないことを祈りながらルリは左腕を上げた。
舞い降りてきた鷹よりもたらされた新たな情報にルリはしばらく考え込んだ。
ドゥネダインの一族…懐かしい双子のエルフ…。
彼女の頭の中でもの凄い早さでこれからの計画が立てられて行く。