Verbena
□◆第十三章 離脱◆
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「別れの挨拶ぐらい気の済むまでさせてくれてもいいと思うけど」
チクチクと刺さってくる視線に、オールで漕ぎながらレゴラスが苦笑する。
すると彼の斜め前を進んでいたアラゴルンがチラリと振り返った。
「昨日一人抜け駆けで挨拶したんだろう。十分じゃないか」
そうだそうだ…と逆サイドを進むボロミアの漕ぐ小舟からホビット二人の声が上がる。
何をそんなに苛ついているんだ?とレゴラスは首を傾げる。
「君にはアルウェン姫がいるだろ」
レゴラスは片眉を上げて、アラゴルンの痛い所を付いた…つもりだった。
「だが、一緒に旅をしているわけではない。それにルリは私の妹みたいなものだ!」
八つ当たりと妹馬鹿(シスコン)か……障害は裂け谷にいるエルフだけではないことに気付かされる。
やれやれと溜め息をつくレゴラスにフロドとギムリは同情の目を向けた…。
to be continued...