Verbena
□◆第十一章 別れ◆
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『ごめんなさい』
ガッシリとした肩に頭を預けるとルリは消え入りそうな声でボロミアに謝った。
「気にするな。お前は軽すぎて盾ぐらいの重さにしか感じられん」
いくらエルフといえど軽いわけがない…。
クスクスと笑うルリに彼も暗い雰囲気にならずにすんだことに満足気に口角を上げた。
森を進む彼らの前にロスロリアンの警備隊ハルディア達が立ちふさがった。
指輪をロリアンに持ち込むことに難色を示す彼だったが、ボロミアに背負われたルリを見て何か思うところがあったのか、渋々カラス・ガルゾンに案内した。
彼らはロスロリアンの主─ケレボルンとガラドリエルの前に引出される。
二人は何かしら言いかけたが、ボロミアに支えられてやっとの思いで立っているルリを見てすぐに指示を出す。
「その者にすぐ治療を」
驚くほどの対応の早さに一行が驚いているとケレボルンが彼らに向き直った。
「裂け谷をガンダルフに導かれて出発したと聞いたが…」